駐日インド大使のディーパ・ゴパラン・ワドワ氏(57)が21日、山陰両県を訪れ、松江市内で政財界関係者による歓迎レセプションに出席した。両県では、同国と経済、文化両面で交流を深める動きが活発化。実現に向け、出席した約100人と親睦を深めた。
同氏は松江市八束町に昨年10月に開館した、インド哲学・仏教学者で名誉市民の故中村元(はじめ)氏を顕彰する「中村元記念館」を22日に視察するため、山陰両県入りした。
歓迎レセプションは、同館を運営するNPO法人「中村元記念館東洋思想文化研究所」(清水谷善圭理事長)などが計画。ワドワ氏は「(同館が)日本とインドの永続的な文化交流の象徴になってほしい」とあいさつした。
さらに、IT大国であるインドらしく、松江発のプログラミング言語「Ruby(ルビー)」に関心を示し、2月に来日予定の担当相に「説明してほしい」と要望。食品加工や環境保全の技術を「インドに持ち込んでほしい」とも呼び掛けた。
これに対し、来賓の溝口善兵衛島根県知事は「インドと山陰の交流拡大を期待する」と強調。平井伸治鳥取県知事も、ワドワ氏と鳥取市内で会談した。
山陰両県では、中海・宍道湖・大山圏域の経済人らが中心となり、4月に「山陰インド協会(仮称)」を発足させる。