甑を引き上げ、蒸し上がったコウゾの束を取り出す佐々木夫妻=江津市桜江町長谷、風の工房
甑を引き上げ、蒸し上がったコウゾの束を取り出す佐々木夫妻=江津市桜江町長谷、風の工房

 【江津】江津市の指定無形民俗文化財「勝地(かちじ)半紙」の原料となるコウゾの樹皮をそぎ取る「そどり作業」が2日、風の工房(江津市桜江町長谷)で始まった。甑(こしき)と呼ばれる巨大な桶(おけ)をかぶせて蒸し上げる古来の方法を用い、年末にかけ1年分の原料を製造する。
 室町時代ごろに始まった半紙の製造を唯一継承する風の工房の佐々木誠さん(63)、さとみさん(55)夫妻が作業した。
 桜江町内で採れたコウゾ250キロを釜の上に載せ、高さ1・6メートル、直径1・4メートルの甑を約4時間かぶせて蒸し、軟らかくなった樹皮を手でそぎ取った。
 同様の作業を年末までに4~5回行い、色を付けた和紙をはじめ、肌に優しい紙製マスクやボディータオルなど多彩な商品の原料として活用する計画。
 誠さんは「新型コロナウイルスの影響もあり、家庭での和紙を使った工作やマスクの需要が伸びている」と説明。古来の伝統技術を忠実に守って作る和紙のニーズは拡大している。
 (福新大雄)