「食の杜」で子育て支援事業に取り組む矢田明子社長=雲南市木次町寺領
「食の杜」で子育て支援事業に取り組む矢田明子社長=雲南市木次町寺領

 雲南市木次町寺領の農園「食の杜(もり)」で4月、子どもの預かり事業が始まる。地域住民の健康づくりを支援するため、家庭などに看護師を派遣している「コミュニティナースカンパニー」(雲南市木次町里方、矢田明子社長)が手掛ける。単に子どもを受け入れるにとどまらず、古民家を改築した建物や、山里などの自然環境を生かし、地域を挙げた子育ての場に発展させたい考えだ。

 「地域まるごと子育て縁(えん)」と銘打ち、農園内の築100年以上の木造家屋(約200平方メートル)を活用。保育士2人などが常駐し、月10人程度の受け入れを見込む。年齢制限は設けず、料金は月4万円程度からに設定する予定。

 子育て事業を始めるきっかけは新型コロナウイルス禍。2020年に市内の小中学校が休校になった際、保護者らの要望があり、ボランティアで児童らの一時預かりを引き受けた。遊びや宿題の手伝いなどで住民が加わった経験から、こうした場を日常的に提供しようと準備を進めていた。

 同社の考えに賛同した建設会社などでつくるボランティア団体や、雲南市内の社会福祉法人と連携して施設や体制を整備した。

 コミュニティナースカンパニーの矢田社長(41)は「多様な学習機会を取り入れ、挑戦できる子が育つ場所にしていきたい」と話す。

 施設周辺には、出雲国風土記に登場する布須神社(木次町宇谷)なども存在し、住民との交流のほか、地元の歴史学習も想定するという。

 事業に協力する陶山建設(雲南市木次町寺領)の陶山義久会長(69)が会長を務めるボランティア団体「フロンティア会」は昨年、草木が生い茂っていた布須神社に続く約2キロの山道を半年かけて整備した。

 陶山会長は「子どもたちの声が聞こえる施設になるよう協力していきたい」としている。

 問い合わせはコミュニティナースカンパニー、電話0854(47)7272。