インドへの輸出を目指す日本酒を手に意気込む鳥取県和酒輸出蔵元協議会の岡空晴夫会長=境港市大正町、千代むすび酒造
インドへの輸出を目指す日本酒を手に意気込む鳥取県和酒輸出蔵元協議会の岡空晴夫会長=境港市大正町、千代むすび酒造

 国税庁の日本酒輸出支援事業の採択を受け、鳥取県内の蔵元14社がインド市場に挑戦する。13億人を超える世界2位の人口を抱え、経済発展を続ける一方、国特有の飲酒事情もあって日本酒の普及は進んでいない。試飲会や商談会を開くなどし、巨大市場に風穴を開けようと攻勢をかける。

 2019年の清酒輸出総額で国別トップの米国が約67億円だったのに対し、インドは約1千万円にとどまる。酒類提供が禁止されている州が一部にあるなど販売環境が複雑で、さらに保存する冷蔵設備が普及していないといった課題も山積している。

 一方、人口規模や若年層が多い年齢構成に加え、所得上昇に伴い個人消費は拡大しており、市場性に着目した千代むすび酒造(境港市大正町)の岡空晴夫社長が19年10月に現地を視察。高級レストランやホテルに販路を持つ複数の商社に売り込んだ結果、可能性があるとの反応が得られたため、県内13社とともに鳥取県和酒輸出蔵元協議会を結成した。

 国税庁の「日本産酒類のブランド化推進事業」に採択され、事業費2千万円で市場調査や宣伝動画の作成、現地でのイベント開催などを展開する。

 純米酒や本醸造酒といった分類のうち、好まれる種類や販売価格帯、インド料理との相性などについて調査。山陰両県の産官学で組織する山陰インド協会インド支部長で、ロート製薬インド法人の二宮祐副社長=境港市出身=の協力を得て進める。当面、新型コロナウイルスの影響で訪印は困難とみて、在日インド人を招いた試飲会やインターネットを活用した現地商社との商談会を計画している。

 協議会会長に就いた岡空社長は、輸出を拡大させている欧米などと同じく「必ず日本酒市場は膨らむ」と先行して取り組む意義を強調。「既に酒類を取り扱っている商社に売り込み、突破口を開きたい」と話した。