地域を守る各地の消防団で、訓練方法を実践型へと見直す動きが広がっている。放水動作の速さや正確さなどで優劣を競う「操法大会」が新型コロナウイルス禍で続々と中止に追い込まれ、大会を意識した訓練内容は、巨大地震や洪水など多様な災害に備えたものに置き換わりつつある。

 ▽なり手不足

 「ガガガッ」。専用機材で車のドアをこじ開ける音が響いた。2021年11月、愛知県尾張旭市内のグラウンド。ブルーの防災服に身を包んだ消防団員らが、津波や洪水で流されてドアが開かなくなったとの想定で、車からの救出訓練をした。

 同市の消防団は20年度から従来の操法訓練をやめ、より災害現場で役立つ技能を学ぶ方向にかじを切った。操法は実践的でないとの不満が現場に根強く、同市消防本部が実施したアンケートでも「訓練時間が長く、負担になっている」などと見直しを求める意見が続出。消防団は団員のなり手不足に拍車をかけていると判断し、取りやめた。

 ▽硬直化

 操法は、ポンプ車の使い方などに習熟することを目的に約100年前に編み出された。操法大会では「火点」と呼ばれる的に向かって放水し、動作の速さや規律正しさなどを競う。ただ、立ち位置を少しでも間違えると減点されるなど、硬直化が進んでいるとの批判があり、新型コロナなどを契機に各地で相次ぎ中止や延期となった。

 神奈川県海老名市は、...