6月4日に開幕する第138回春季中国地区高校野球大会。春の中国大会は、開催県の上位4校が、他4県の優勝校を迎え撃つ形式で開催される。今年の舞台は出雲市の県立浜山球場。島根の4校が各県の王者にどう挑むのか。「コータの野球ざんまい」第18回は、夏の戦いに向け貴重な“腕試し”の場となる大会をスポーツライターの井上幸太氏が展望する。

春季中国地区大会の組み合わせ

大東VS一皮むけた140キロ右腕
 開幕戦は、4年ぶりに春の山口を制した宇部工と、島根4位の大東による一戦。今大会の出場8校の内、公立は2校。大会唯一の公立勢のマッチアップとなった。

 宇部工の守りの中心となるのが、エース右腕の上田優太。投打にポテンシャルを有しながらも、昨秋の県大会、中国大会はいずれも背番号11。「知る人ぞ知る好投手」の位置づけだった。

宇部工の上田優太

 だが、冬場の練習の取り組みなどが評価され、昨春から指揮を執る浅原充監督(42)は「監督としても信頼できるし、上田とチームに信頼関係ができているのがわかった」。この春から念願のエースナンバーを奪取。高川学園、下関国際の強豪私立と相対した準決勝、決勝の連続完投を含め、春5試合中4試合で完投するなど、文字通りの大黒柱として機能した。最速140キロに達した本格派右腕としてはもちろん、柔らかくバットを出し、広角に弾き返す右打者としても大会注目の存在と言える。

 野手陣は、春全試合で安打を記録、指揮官が「今年は大谷のチーム」と言い切るほど信頼を寄せる右の強打者・大谷亮眞が中心。今春から本格的に遊撃手にコンバートされ、浅原監督から「野性的な守備をする」と評される山田桃也のバネのある動きも見逃せない。

 対する大東は、エース右腕・川上祐真が、先日の出雲地区大会で出雲商の打線にとらえられていたのが気になるところではあるが、粘り強く試合を組み立てる力は折り紙付き。

大東の川上祐真

 女鹿田康生、神庭楽人ら野手陣で援護し、少しでも楽な展開で投げさせたいところだ。

大東の神庭楽人

 両投手の出来次第ではあるが、互いに3、4点程度を奪い合う展開になりそうだ。

淞南VS超高校級スラッガー

 第2試合には、昨秋の中国大会優勝、今春のセンバツに出場した広島王者の広陵が登場。“広陵のボンズ”真鍋慧、高校日本代表候補の内海優太という、超高校級の左のスラッガー2人を擁する今大会の優勝候補本命と、秋春連続で島根を制した立正大淞南が激突する最注目カードとなった。

「広陵のボンズ」こと真鍋慧
広陵の内海優太

 広陵は、センバツ終了後から打順の組み換えと右打者の積極起用に着手。春の準決勝で3本塁打、5月中旬の宮崎県招待試合でも一発を放った右の大砲・...