神社参道横のため池でモリアオガエルの卵塊を見守る会員=出雲市稗原町
神社参道横のため池でモリアオガエルの卵塊を見守る会員=出雲市稗原町

 出雲市稗原町の住民有志が「しまねレッドデータブック」の準絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルを守る会を立ち上げた。産卵場となっている池で卵が無事にふ化するよう、人の手をかけて環境を整備する。保全活動を通じ、稗原の豊かな自然を多くの人々に知ってもらいたいと願い、成長を見守る。

 モリアオガエルは水面に張り出した木の枝に直径約20センチの泡状の卵塊を産み付ける。一つの卵塊に約500個の卵が入っており、1週間程度でふ化しオタマジャクシが水中に落ちて成長する。

 町内では市森神社参道横のため池が産卵場所の一つで、近くに住む大工の石川和美さん(79)は6月中旬、水面を覆う低い木から約10メートル上の枝まで約60個の卵塊を見つけた。

 ため池の減少などで、県内で個体数が少なくなっていることを知り「地元の生き物を大切にしなければ」と獣医師の石野真さん(74)に相談。声がけした住民8人で守る会を結成した。

 19日に初めてメンバーが集まり、サギなどの野鳥に狙われないよう池の水面に糸を張る作業に汗を流した。来年以降の産卵場所を確保するため、葉の面積が広く卵を産み付けやすいというアジサイの苗木8本を池のほとりに植えた。

 今後もため池の環境整備を進めていく計画で、発起人の石野さんは「地域にとって季節の風物詩になるように保護していきたい」と話した。
      (佐野翔一)