7月2日は桂歌丸師匠の御命日である。歌丸師匠が亡くなって、早いもので4年がたつ。歌丸師匠は、2004年からお亡くなりになるまで14年間もわれわれ落語芸術協会の会長を務めていた。私が落語家になったのは05年。すでに会長だった歌丸師匠は弟子でも一門でもない私を前方、付き人として全国各地へ連れて行ってくれて、時に叱り、時に諭し、諦めることなくダメな私に常に経験値をくれ、かわいがってくれた。本当にいろいろなことを背中で教えてくれる師匠だった。落語はもちろん、落語への真摯な姿勢、芸人として、そしてなにより人間が未熟な私へは人として、ということも教えてくれた。

 とにかく上品で礼儀正しい師匠だった。何年離れた後輩だろうが必ず「さん」付けで名前を呼んでいた。そんな師匠が私だけは「ちぃ坊」という愛称で呼んでくれていた。これは私の前座名が「ち太郎」で二つ目から「小痴楽」、そして...