ウクライナから避難した人たちの保護を口実にした火事場泥棒じゃないか―。

 昨年、廃案になった入管難民法改正案を再び国会に提出する動きに批判の声が上がっている。ウクライナでの戦争と日本の入管政策はどうつながるのか。背景を追うと、いくつもの疑問が浮かび上がってきた。(ジャーナリスト、元TBS社会部長=神田和則)

 ▽「準難民」

 政府は法案再提出の理由を次のように主張する。

 難民条約における「難民」の定義は「人種、宗教、国籍、特定の社会集団への所属、政治的意見を理由に、自国にいると迫害を受ける恐れがあるという十分に理由のある恐怖を有するため国外に逃れた人」である。国家間の紛争から逃れたウクライナの人々は条約上の難民に当たらず、難民として保護されない。廃案になった改正案には、紛争避難者を「補完的保護」の対象とする規定があり、難民に準じた扱いを可能にする。この「準難民」と認定されれば定住資格などの保護が受けられる。

 その上で古川禎久法相は4月19日の記者会見で「法務省としては、同法案(注・廃案となった改正案)の一部のみを取り出すのではなく、現行法下の課題を一体的に解決する法整備を進めてまいる所存です」と発言、準難民制度の創設だけでなく、元の改正案で問題とされた条項も併せて復活させることを示唆した。

 ▽難民申請中でも送還

 改正案はどのような“問題条項”を含んでいたのか。主な点を...