第104回全国高校野球選手権島根大会は熱戦の末、県内最多の春夏15度の甲子園出場を誇る浜田がノーシードから18年ぶりの頂点に駆け上がった。夏の甲子園出場は12度目。コータの野球ざんまい第22回は、大会を取材したスポーツライターの井上幸太氏が快進撃の裏側に迫った。
 

夏の島根大会の勝ち上がり表

ノーシードからの船出

 浜田は、秋の島根大会で4強入りした実力校だったが、春は県大会進出を懸けた西部地区予選の代表決定戦で、石見智翠館に1-11の6回コールド負けを喫した。

 夏はノーシードからの船出となり、初戦は情報科学の2年生サイド右腕・谷川駿太に手こずる場面がありながら6-3で勝利。この時点で優勝を予想できていた人は少なかったのではないだろうか。

 優勝への機運を一気に加速させたのが、第2シードの益田東と相対した準々決勝。秋の3位決定戦でも顔を合わせ、1-8の7回コールド負けで完敗した相手との再戦だった。

 秋の対戦当日の朝、浜田を率いる家田康大監督は、球場で顔合わせた益田東の大庭敏文監督と挨拶を交わした。敵将ではあるが、「いつもお世話になっている」(家田監督)という西部地区の若手指導者の兄貴分的存在である大庭監督に挨拶することは、当然のことと思える。だが、家田監督はこの一件を「ずっと後悔していた」...