「鳥取県を衛生データ活用の人材育成拠点にしたい」と話す金本成生氏=米子市末広町、市文化ホール
「鳥取県を衛生データ活用の人材育成拠点にしたい」と話す金本成生氏=米子市末広町、市文化ホール

 宇宙関連のベンチャー企業「スペースシフト」(東京都)代表で、米子市出身の金本成生氏が8日、市内で講演した。人工衛星と地上のデータをAI(人工知能)で解析し、特産・白ネギの生産に生かす技術開発を交え、世界規模で膨らむ衛星データ利用ビジネスの市場動向を紹介。「将来は鳥取県を衛星データ活用の人材育成拠点にしたい」と熱く話した。

 同社は6月に米子市法勝寺町に研究開発拠点を構え、県西部の白ネギ畑で衛星データ実証プロジェクトを展開。ネギの成長把握や収穫時期が予測できる技術確立を目指している。

 NASA(米国宇宙航空局)にも海外研究拠点を設けた金本氏は「衛星データのAI解析は農林漁業にとどまらず、製造業や海洋資源・エネルギー、海洋安全保障など各分野に広がる」と解説。地球規模の環境問題にも有効とし、「SDGs(持続可能な開発目標)推進に役立つ」と述べた。

 素晴らしい星空が観測でき、宇宙を身近に感じられる県西部に触れ「米子鬼太郎空港は宇宙港設備建設区域になり得る」とスペースポート構想を提唱した。
 米子市教育委員会が市民向け講座の一環で開き、約60人が聴講した。