島根県庁
島根県庁

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、山陰両県内で感染力が強い変異株の確認が相次いでいる。両県で初めて変異株が確認された3月下旬以降、5月13日までの陽性者数の64%を占めており、ほとんどが重症化や死亡リスクの高い「英国型」だった。国立感染症研究所の推計では全国の新規感染者の9割が変異株で、有効とされるワクチンの接種体制の構築が待たれている。

 島根は3月25日、鳥取は同29日に変異株を初確認。3月20日から5月13日までの感染者数は島根が121人、鳥取が212人で、このうち両県の衛生検査所によるスクリーニング検査で変異株と確認されたのは、島根が94人、鳥取が120人だった。

 島根の1人を除いていずれも英国型で、従来型よりも感染力は1・3~1・6倍、重症化率は1・4倍とされる。若い人が感染するリスクも高いとされ、都会地では4月以降、10代以下が増加傾向にある。

 両県内で接種が進む米ファイザー製のワクチンは、2回接種後に英国型の働きを抑える抗体を生成するとの研究結果が明らかになっている。予防医学が専門の国際医療福祉大病院(栃木県)の一石英一郎教授は「行政側が体制を早期に整備し、接種を早期に進める必要がある」としつつ「これまでのウイルスとは別物と考え、個人レベルで手洗いや密の回避に向けた意識を高め、徹底していかなければならない」と警鐘を鳴らしている。