夏の甲子園出場をかけた全国高等学校野球選手権島根大会が7月15日、県立浜山球場を主会場に開幕する。本格的な野球シーズンを迎える中、山陰を中心に高校野球を取材し、全国雑誌にも寄稿するスポーツライター井上幸太氏が、山陰の高校野球の見どころ、楽しみ方を紹介する。
 第1回は少し気が早いが、今夏の島根県大会の見どころを展望する。

一発狙える中軸
 春は8強にとどまったが、秋優勝の石見智翠館が戦力層の厚さで一歩リードしている。昨秋の中国大会で、プロ球団もマークする本格派右腕から一発を放った宮本赳希、春の3回戦で左翼スタンドに豪快弾をたたき込んだ上翔曳の右の強打者2人が中軸を固める打線は県屈指。秋は「とにかく打てる選手に打席を多く回したかった」(末光章朗監督)と投手ながら打力のある山崎琢磨を2番に置いていたが、冬場に対応力を向上させた主将の山崎凌夢が進塁打、決定打とも期待できる攻撃的2番として台頭。1年夏に甲子園を経験している1番・関山和から始まる打線のつながりがよくなった。

上翔曳(石見智翠館)

 最速143キロを誇るエース右腕の山崎琢は、右肩痛の影響で今春は公式戦登板を回避した。入念に調整を続け、5月末の練習試合で待望の復帰登板。すると、2イニングの試運転ではあったものの、いきなり...