インターンシップで訪れたインド人学生たちと意見交換する松浦正敬市町(右)=松江市末次町、同市役所
インターンシップで訪れたインド人学生たちと意見交換する松浦正敬市町(右)=松江市末次町、同市役所

 中海・宍道湖・大山圏域と交流を進めるインド南部・ケララ州のITエンジニアや理工系学生ら11人が来日し、松江、出雲両市の企業でのインターンシップ(就業体験)などの研修を16日、始めた。2015年12月に同圏域の市長会や経済団体がケララ州政府などとの間で経済交流拡大の覚書を締結して以降、初めての本格的な人的交流。今後、日印の企業間で新たなビジネスチャンスの創出に期待がかかる。

 就業体験は、市長会や島根県など官民12団体でつくる「松江市インドIT人材受入・企業誘致調査事業実行委員会」が、IT産業が盛んなケララ州からの人材受け入れや企業誘致で、関連産業の振興を図るために企画。エンジニア5人と学生6人が参加した。

 受け入れ企業6社のうち、インド人2人を受け入れるネットワーク応用通信研究所(松江市学園南2丁目)は、松江発のプログラミング言語「Ruby(ルビー)」で作成したソフトを日本語から英語に翻訳する作業などを体験してもらう。井上浩社長は「この機会に海外販路の開拓や、外国人の雇用を検討したい」と話した。

 島根県情報産業協会の16年調査では、県内のIT系企業75社の6割超が人手不足を訴えており、インドとの人的交流拡大で人手の問題緩和が期待される。実行委では、ケララ州内でRubyが使えるエンジニアの人数やシステム開発の普及状況なども調査しており、就業体験を足がかりに双方の企業進出や投資促進を模索していく。

 16日は、インド人の一行が松江市末次町の市役所を訪問。団長を務めるバジル・ベビー・マシューさん(24)が「企業で実際に働いて見聞を広め、自分たちの力を生かして人材交流の流れも作りたい」と語ると、対応した松浦正敬市長は「インドの人材や企業がやって来て、人手不足の解消や新たな技術開発につながるのを期待する」と述べた。一行は就業体験や、Rubyの講習を受けた後、29日に帰国する。