アイデアをメモしたノートを開きながらグループホームの立ち上げに向けた思いを語る永井惠子さん=松江市東津田町の自宅
アイデアをメモしたノートを開きながらグループホームの立ち上げに向けた思いを語る永井惠子さん=松江市東津田町の自宅

 障害のある娘が安心して一生を過ごせる「ついのすみか」を作ろうと、母親の永井惠子さん(51)=松江市東津田町=が仲間2人と協力し、松江市内にグループホームを新たに立ち上げようと計画している。新型コロナウイルス禍で大規模事業所がサービスを休止したり閉鎖されたりする中、小回りのきく小規模事業所の必要性を痛感。「誰かがやってくれるのを待つだけではいけない」と家族が運営にかかわる方式を模索する。
 惠子さんの次女・千絵莉さん(25)は、重い知的障害があり、言葉でのコミュニケーションは難しい。自分で歩けるが食事、入浴、排せつなど生活面での介助が必要だ。
 昨年来のコロナ禍で、市内の大規模事業所はサービスを休止し、入所者も面会・外出ができなくなった。小さな事業所では一部のサービスは休止したが、利用できたこともあった。千絵莉さんは自宅住まい。惠子さんは家族で一緒に過ごせるありがたみを感じる一方で「(入所者は)家族に会えなくなってしまった。こういった事態でも継続できる事業所が必要と感じた」と振り返る。
 松江市内で障害者を受け入れるグループホームを展開する事業所は現在16カ所。定員はそれぞれ異なるが、多いところでは一つの住居に定員が20人の施設もある。惠子さんは千絵莉さんが「大人数のうちの1人」になることが気がかりだった。そこで、わが子がのびのびとわが子らしく過ごせる環境を、自らの手で作り上げようと一歩踏み出した。
 現在は計画を具体的に描くため当事者やその保護者、支援者、福祉住環境コーディネーターらで勉強会を開いている。今後は場所の選定や建物の設計、運営方法について固めていく予定。場所は市郊外の広い敷地を想定している。
 千絵莉さんの自立とは「ありのままでいられ、夜も安心して熟睡できる環境」が確保できることだと惠子さんは考える。「本来、子どもが自立するのは喜ばしい場面。本人も家族も関わる人も楽しく、元気になれるグループホームのモデルになれたらいい」と意気込む。
 問い合わせは永井惠子さん、メールdaijob3588arigato@gmail.com
(増田枝里子)