松江市役所本庁舎(松江市末次町)の現地建て替え事業を巡り、市監査委員が3日、約150億円の事業費の支出は不当だとして公金支出の執行停止などを市に勧告するよう求めた市民団体代表の住民監査請求を棄却した。団体側は近く、住民訴訟を起こす。

 請求したのは市民団体「松江を考える会」の古志勝俊代表世話人と錦織伸行代表世話人で、現地建て替えと移転新築を比較検討した形跡がなく、政策決定の過程が明確でないと主張。事業費が当初見込み額から30億円増えた理由も不透明で、支出は不当だと訴えた。

 これに対し、監査委員は、現地建て替えは耐震診断などの各種調査結果を基に検討したもので、市議会の議事録やパブリックコメント(意見公募)にも移転新築すべきとの積極的な意見はなかったとして、違法性や不当な点はないと判断。事業費の変動も積算方法の違いや建設コストの高騰が理由だと市議会で説明され、市報などで広く市民にも周知されているとし、批判は当たらないとした。

 請求棄却を受け、錦織氏は「訴えが認められず残念だ。今後、司法の場で争っていく」と話した。