1954年の自衛隊の発足から1日で70年となった。平和憲法の下、日本はこの間、一度も他国と戦火を交えることはなかった。だが周辺情勢は不安定さを増している。政府は近年、安全保障政策を抜本的に見直しており、国是である「専守防衛」の形骸化が進む。台湾有事への対応を念頭に、今後も防衛費を大幅に増額する方針で、自衛隊が際限なく「肥大化」していく恐れがある。

 

巨費投入 際限なき肥大化の恐れ

 海洋進出を活発化させる中国と、弾道ミサイルや核開発を推し進める北朝鮮の存在を背景に、政府は集団的自衛権の行使容認や、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有など、ここ10年で戦後の安全保障政策を大きく転換させてきた。...