15日に開幕した夏の高校野球島根大会。2年ぶりの甲子園を懸けた熱戦が繰り広げられている。今年を含めて、毎年のように優勝候補に挙げられるのが立正大淞南と石見智翠館。両校を巡っては、何の因果か数年、数回にわたって残っている「ジンクス」が存在する。そして、両校ともに東西の「超名門校」の系譜を受け継いでいる点も、見逃せない。「コータの野球ざんまい」第6回で深掘りしてみたい。

ジンクス① 立正大淞南に勝利したチームが甲子園に出場する

 2009年夏に悲願の甲子園初出場を果たした立正大淞南。その3年後の2012年は、春の東部地区予選初戦で敗退するなど、決して前評判は高くなかったが、ノーシードから2度目の甲子園出場を成し遂げた。監督の太田充(48)は「2009年と違って、優勝するまで『今年は勝てる』という確信のようなものをつかめなかった」と苦笑気味に回想するが、エース左腕の山下真史(現・ニチダイ)の粘り強い投球、バックの堅守、島根大会で本塁打ゼロながら、小技と走塁で突破口を開いた攻撃など、“真骨頂”と呼べるような試合運びでつかんだ栄冠だった。甲子園では、大谷翔平(エンゼルス)を擁した花巻東を下して聖地に乗り込んだ盛岡大付(岩手)と激突。延長12回の熱戦の末、5-4で振り切り、初戦突破した。

大谷翔平の花巻東を下して甲子園に乗り込んだ盛岡大付に競り勝ち、喜ぶ立正大淞南ナイン(2012年)

 その翌年も、技巧派右腕の下園直登、前年の甲子園でアーチをかけた渡辺恭平の投打の軸を中心に2年連続で島根大会決勝に進出。決勝の相手は前年に続き、石見智翠館。この年は立正大淞南がシード校、石見智翠館がノーシードからの決勝進出と、前年とは逆の構図での顔合わせとなった。

 試合は初回に石見智翠館が3点を先制。立正大淞南は、最終回に3点を返すなど意地を見せたが、反撃及ばず6-10で敗戦。2年連続3回目の甲子園出場はならなかった。

 この年から現在に至るまで続いているのが、「立正大淞南に勝利したチームが夏の甲子園に出場する」というジンクスだ。2013年の石見智翠館(決勝)、2014年の開星(3回戦)、2015年の石見智翠館(準々決勝)、2016年の出雲(決勝)、2017年の開星(準々決勝)、2018年の益田東(準決勝)、2019年の石見智翠館(準決勝)と、立正大淞南に勝ったチームが甲子園へと駒を進めている。甲子園は中止となったが、昨夏の独自大会は決勝で益田東が立正大淞南を破った。「勝ったチームが夏優勝」は8年継続していることとなる。

2016年の決勝で出雲に敗れ、涙を流す立正大淞南の選手たち

 このジンクスについて、太田が言う。

 「自分たちに勝ったチームが甲子園に行き続けているのは当然把握していますし、そこに対する悔しさもあります。島根県勢の甲子園での白星は、自分たちが出場した2012年夏が最後。『甲子園に出場して、自分たちのジンクスと県勢の連敗両方を止めよう』という思いは、チームとして強く持っています」

 これだけジンクスが続くのは、上位進出常連の証でもある。2007年秋に太田が監督に就任して以来初の第1シードとして臨む今夏こそ、この記録に終止符を打つつもりだ。

ジンクス② 石見智翠館はノーシードの夏と相性がいい

 2014年、第2シードだった開星の出場を最後に、島根の夏はノーシード校の甲子園切符獲得が続いている。参加校数、組み合わせの形式の関係もあり、ノーシードでも2回戦登場のパターンが少なくないことなどもあり、他県に比べてシードの恩恵がそこまで大きくないから…などの理由が挙げられることもある。

 そんな中、ノーシードの年の強さが際立っているのが、石見智翠館だ。2009年に...