旧大社基地の滑走路跡=出雲市斐川町出西(小型無人機で撮影)
旧大社基地の滑走路跡=出雲市斐川町出西(小型無人機で撮影)

 太平洋戦争末期、本土決戦に備えて旧海軍が築いた大社基地(出雲市斐川町出西)の跡地について、出雲市が30日、歴史や平和学習の資料として記録を取る考えを明らかにした。地元の民間事業者が取得した滑走路跡の測量や写真、動画撮影などを開発前に行う。さらに跡地内で市が持っている土地を含む一部分は、見学や学習の場として活用する方針。

 島根県や出雲市が再取得するなどして、保存・活用すべきだとの意見が市の審議会や専門家らから上がっている。しかし現時点で県や市に再取得などの考えはない。

 こうした中、市は戦争の爪痕を後世に伝える方策として、記録を取り、当時の様子が分かる資料を残す方向で進めることにした。

 具体的には、滑走路跡の現地確認や、測量、構造調査を行うほか、写真、動画撮影、図面作成を予定。調査期間は3カ月程度を見込み、必要経費は本年度の9月補正予算に計上する。既に、土地を所有する事業者に打診中だという。

 滑走路跡地には近年、新型コロナウイルスの影響で広島に行けず、平和学習を目的に訪れる市内外の小中学生が増えている。見学案内を求める声もあり、市は現地を見ながら歴史学習ができる場所を確保するため、一部を残す方針も固めた。

 場所は、滑走路跡の一部で、別の事業者に売却された葬祭会館の東側にある市有地を含め、検討する。

 市議会全員協議会で説明した市民文化部の三代均部長は「民間事業者や県と協議をしながら調査を進めたい」と話した。
     (月森かな子)