第103回全国高校野球選手権島根大会は、石見智翠館が、中止となった昨年を挟み2大会連続の優勝を飾り、39校の頂点に立った。決勝では、主戦が大社を相手にノーヒットノーランを達成する劇的な幕切れ。圧倒的な強さを見せつけた。「コータの野球ざんまい第7回」は石見智翠館の戦いぶりを中心に、今大会を振り返る。

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▽「本命」に相応しく
 大会後半に「本命」の呼び声に相応しい戦いぶりを見せた。秋優勝の実績、最速143キロのプロ注目右腕・山崎琢磨、強打の2年生捕手・上翔曳らが軸の強力打線を持ち、優勝校筆頭に挙げられていた第3シード校の石見智翠館が、選手権大会が中止となった昨夏を挟んで2大会連続で優勝。夏10回目、春夏合計11度目の聖地切符を手にした。

優勝を決め、歓喜する石見智翠館ナイン

 初戦(2回戦)の松江北戦は、相手先発の2年生右腕・山本智史に11安打を浴びせながらも、決定打を欠き3得点に止まった。3回戦は春にコールド勝ちした開星との再戦。その春に7点を奪った藤原主税がこの試合も先発だったが、左腕から繰り出す角度のある直球に苦戦した。4回に安打と暴投で走者を得点圏に進め、伊藤陽春の適時打で先制に成功したものの、その後は内野安打1本に抑えられた。この虎の子の1点をエース山崎琢から、2年生の変則左腕・山本由吾への継投で守り切り、1-0で逃げ切った。

 大会序盤に辛勝が続き、打線の仕上がりを不安視する声も上がっていたが、大会後半に差し掛かるにつれて、強力打線に本来のつながりが生まれた。準々決勝の三刀屋戦は、相手3投手から奪った10四死球に7安打を絡め、9得点でコールド勝ち。組み合わせ抽選後から「優勝に向けた大一番」と各メディアで目されていた浜田との準決勝では、山崎琢と並ぶ大会屈指の好右腕とされていた橋本裕介から、主将の山崎凌夢、今大会打棒が炸裂した伊藤が左翼スタンドに本塁打を叩き込むなど、13安打9得点と完全攻略。2試合連続のコールド勝ちで決勝へと駒を進めた。

 決勝でも打線の勢いは止まらなかった。大会序盤から不振が続き、末光章朗監督(51)が、「あとは関山だけ」とコメントしていた関山和が初回の第1打席で中前打を放ち、岡田優駿の適時打で先制のホームを踏んだ。その後も着実に加点し、4点リードで迎えた7回に、伊藤が2試合連発となる2点本塁打を放ち、試合を決定づけた。

【準決勝・石見智翠館―浜田】3回表石見智翠館無死三塁、関山和が右前適時打を放ち1-0と先制する

 投げては先発の山崎琢が、与四球2、15奪三振で無安打無得点を達成。島根大会の9回成立試合での無安打無得点達成は、2012年春に石見智翠館の金井大海が達成して以来、夏は2007年に浜田の入江慶亮(元・東京ガス)が成し遂げて以来。決勝での記録達成は県史上初の快挙だった。

今大会を無失点で終えるなど、好投を続けた山崎琢磨

▽細部にも「強さ」
 試合を観ていて感心したのが、攻撃で四球を奪った後の選手たちのふるまいだった。バットを投げ...