育英幼稚園の送迎バス=松江市大庭町
育英幼稚園の送迎バス=松江市大庭町

 福岡県中間市の保育園送迎バスの車内に男児が取り残され熱中症で死亡した事件は、降車後の車内の点検や出欠の確認が不十分だったのが原因だとみられる。山陰両県の保育園や幼稚園、認定こども園では降車後に車内を見回り、出欠の情報は職員間で共有するなど二重三重のチェック体制を敷いており、取り残される事態を防ぐ。
 両県内の38市町村によると、送迎バスを運行する園は、各市町村が把握するだけで計56園に上 る。園児が取り残されて健康被害を受けた事案があったかどうかは把握されていない。送迎バスについては、立席の禁止や非常口設置など国が保安基準を定めるが、人数確認の方法などを定めた法令はない。自主的にルールを決めて運行する園や自治体が多いという。
 育英幼稚園(松江市大庭町)では、通園バスを利用する園児の席をあらかじめ決めておき、乗車時にチェックリストで確認し、降車後にも忘れ物がないか、車内を見回る。登園後や帰宅時の点呼も欠かさず、バスを利用する園児の見落としを防ぐ。欠席の連絡があった場合は、電話を受けた職員が職場の共有リストに書き込むほか、担当職員には直接伝える。
 福岡の事故を受け「確認を徹底しようとみんなで話し合った」と岸本恵部長教諭(33)は話す。
降車後の車内確認や二重三重の人数確認といった対応を取る園は多いとみられ、さくら幼稚園・さくら保育園(鳥取市桜谷)も同様。依藤倫江園長(62)は「命を預かっている意識を強く持っている」という。
 車内に取り残されると園児の命に関わる危険もあるだけに、各園任せだけでなく、実態把握や指針提示など行政によるセーフティーネットも求められそうだ。
(片山皓平)