原爆の惨禍を伝える絵画を眺める来場者=江津市有福温泉町、湯町サロン
原爆の惨禍を伝える絵画を眺める来場者=江津市有福温泉町、湯町サロン

 原爆被爆者療養所「有福温泉荘」があった江津市有福温泉町で、原爆の惨禍を伝える絵画展「祈りの夏」が始まった。1945年8月6日の広島原爆投下から76年の歳月がたち、記憶の風化が進む中、歴史を継承し平和な社会の実現を目指す。15日まで。
 療養所は2013年、被爆者の高齢化に伴う利用者減で閉所。地元の湯町自治会は、傷ついた人々の心身を癒やした療養所と、原爆の歴史を語り継ごうと、14年から毎年、展示会を企画する。
 会場の湯町サロンには、被爆者の証言を基に広島市内の高校生が描いた絵画30点を展示。大やけどした人々が水を求め川に入る様子や、がれきと化した街をさまよう被爆者の姿が戦争の愚かさを伝える。療養所の写真パネルも展示した。
 湯町自治会の盆子原温(たずね)会長(71)は「原爆の悲惨さや、多くの被爆者を受け入れた地域の歴史を次世代につなぎたい」と話した。6日は午前8時半から約1時間、被爆者である下野勝巳さん(79)=広島県熊野町在住=を招いた講演会がある。
(福新大雄)