島根県庁
島根県庁

 山陰両県の高齢者の7割が新型コロナウイルスワクチンの接種を終えた。両県の担当者は、7月末までに希望する高齢者への接種完了を目指す政府目標をほぼ達成したとの見解を示す。7月に入り、感染者のうち若年層の占める割合が高まりつつあり、各自治体は一般接種に力を入れる。
(取材班)
 島根、鳥取両県によると、高齢者のワクチン接種率は島根(1日時点)が1回目85・6%、2回目71・7%。鳥取(7月31日時点)が1回目88・1%、2回目79・4%。
 菅義偉首相は4月23日に「7月末をめどに2回接種を終えたい」と表明。各自治体は日程見直しなど対応に追われ、特に人口が多い都市部にはハードルが高くなっていた。
 それでも、両県で最も人口が多い県都2市も手堅く進めた。
 鳥取市は首相の表明前に「8月中旬で75%完了」とした体制を再構築。医療従事者向けのワクチン供給遅れなどトラブルもあったが、鳥取県が独自に加えた集団接種などが後押しとなり、8月1日時点で2回目接種率を7割に乗せた。市保健医療課の浜田寿之課長補佐は「8月上旬で75%に達する見込み」と話す。
 松江市は2日時点で1回目接種率が79・7%に上り、担当者は「順調に推移している」と安堵(あんど)する。
 ワクチンの効果は数字に表れつつある。
 高齢者接種が本格的に始まった5月と、軌道に乗った7月で、島根県内の感染者の年代別構成割合を比べると、高齢の世代が占める割合は減った。特に70代は5月に18・0%を占めたのが、7月は15・3ポイント減の2・7%。県感染症対策室の田原研司室長は「高齢者を守るという目標はほぼクリアできた」と話す。
 裏を返せば感染者は若年層に移行しており「今後は一般接種と感染者のせめぎ合いになる」と警戒する。
 若年層は、かかりつけ医がそもそもいなかったり、副反応への警戒感を持ったりする人も比較的多く、田原室長は「接種を強制することはできないが、ワクチン接種を巡る必要な情報提供に努めたい」と話す。