島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)で入院中の女性患者4人にわいせつな行為をしたなどとして、準強制わいせつ罪などに問われた元同病院勤務医梅本洵朗被告(29)=出雲市白枝町=の初公判が26日、松江地裁(畑口泰成裁判長)であった。被害女性1人を昏睡(こんすい)させる際、院内で捨てられた注射器に残る鎮静剤を悪用したことが明らかになった。

 検察側が論告などで指摘した。被告人質問では、電子カルテで女性を知り、年齢や体重、アレルギーの有無などを調べて鎮静剤投与の可否を判断した計画性も浮き彫りになった。

 病院側には薬剤や電子カルテの管理のあり方、再発防止策が問われる。山陰中央新報社の取材に対し、井川幹夫病院長は「判決が出ていないのでコメントは差し控える」とした。

 罪状認否で梅本被告は、準強制わいせつ罪の起訴内容を認める一方、同僚の女性医師の下着を盗んだなどとする住居侵入、窃盗の罪については「やっていない」と否認した。検察側は懲役6年を求刑し即日結審した。判決は3月25日。

 検察側は、医師の立場を利用した卑劣な犯行で、鎮静剤の副作用のリスクもあったとし「極めて危険な犯行様態だった」と断じた。

 被告人質問で梅本被告は、その後も犯行を続けたことについて「興奮や緊張感が忘れられなかった」と証言。弁護側は、被告が反省し、示談が成立した被害女性がいるなどとして、執行猶予付き判決を求めた。

 起訴状などによると、梅本被告は島根大医学部付属病院に勤めていた2019年2月7日夜、入院中の女性患者に薬物を投与して下半身を触ったほか、18年12月4日~19年6月14日の間、同病院で熟睡中の別の女性患者3人にもわいせつな行為をしたとしている。19年12月27日には女性医師宅に鍵を盗んで侵入しショーツ1枚(時価500円相当)を盗んだとしている。

 (多賀芳文、金津智也)