「やってみよう」が原動力
笑顔生むレクリエーション

レクリエーションスポーツの「ラダーゲッター」に挑戦する高齢者たち。ひもでつながった2個のボールを振り子のように揺らしながら、ラダー(はしご)に向かって投げ、得点が決まると「やった。引っかかった」「すごい、すごい」と歓声が上がります。

「いやあ、初めてじゃないでしょう、上手ですよ」。

指導する益田市レクリエーション協会の波田篤男さん(78)=益田市大草町=が、にこやかに語り掛けます。

「笑いが起きると、それだけでやって良かったと思えるんです」。

波田さんがレクリエーションに関わるようになったのは20代の頃。友人に誘われて、地元の「青空子ども会」に参加し、子どもたちに凧揚げやキャンプなど、自然の中でのびのびと遊ぶ機会を提供したことが原点です。

「子どもたちの喜ぶ顔を見ると、こちらも楽しくなってくるんですよ」。

その思いはやがて地域全体へと広がり、1989年の益田市レクリエーション協会の設立につながりました。

「レクリエーションの講師をお願いされると、200種類以上のプログラムの中から、対象の年齢層や体力に合わせて、何をやるか考えます」と波田さん。

活動の場は高齢者サロンや婦人会、企業の若手研修、さらには専門学校の授業まで多岐にわたります。

最近では、言語聴覚士を目指す学生たちに向けた講座も行い、リハビリの現場で活用できるレクリエーションの可能性を伝えました。

「学生たちに『またやりたい』って言われて、本当にうれしかった。笑いが起きて、楽しかったと言ってもらえるのが一番のやりがいです」。

現在は農業をしながら、自由な時間を使って活動を続けています。

地域貢献に興味を持つ人へのアドバイスを尋ねると「とにかく恥をかいてでもやってみること。5、6回やればだれでもベテランになれます。面白いと思ったら、自分の地域でどんどんやってほしいですね」と力を込めました。

島根創生計画では、高齢者の活躍推進を掲げ、高齢者の地域活動の参加を応援しています。本企画では実際に、地域で活躍されている方々をご紹介します!