集いと手仕事で、人生に彩りを

60歳を過ぎた頃、伊藤和子さんは地域の老人クラブ(寿会)の手芸クラブで、壊れた傘の布を使ってトートバッグを作る活動に出会いました。もともと手仕事が好きだったこともあり、「自分も作ってみたい」と思い、クラブに参加。それ以来20年以上、地域の仲間とともに“ものづくり”の楽しさを分かち合っています。

壊れた傘の布を丁寧に洗って縫い合わせると、素敵なバッグに様変わり

作った作品は文化祭などで販売され、地域の方々に大好評。壊れた傘やネクタイなど、捨てられるはずだったものが新しい形に生まれ変わり、「もったいないから捨てられない」と材料を持ち寄る人も増えました。自分の作ったものを友人や知人に贈ると、とても喜ばれ、ものを大切にする気持ちや、手作りの温かさが伝わるのが嬉しいと伊藤さんは語ります。手芸を通じて、地域の人と人とのつながりも広がっています。

「高齢になっても、家に閉じこもらず、月に一度でも集まって何かを一緒に楽しむことが大切だと思います。手芸だけでなく、体操やトランプ、おしゃべりでも構いません。関心がある方は、ぜひ気軽に集まりに参加してみてください。自分の好きなことを通じて仲間ができ、毎日に新しい楽しみが生まれます」

壊れた傘や古いネクタイが、新しい作品として生まれ変わる――。伊藤さんの活動は、これからも地域に温かなつながりと彩りをもたらしていきます。

島根創生計画では、高齢者の活躍推進を掲げ、高齢者の地域活動の参加を応援しています。本企画では実際に、地域で活躍されている方々をご紹介します!