世界自然遺産の北海道・知床。羅臼岳から西へ流れ、オホーツク海に注ぐイワウベツ川の近くの道路には、20台以上の車が止まり、渋滞が起きていた。出没するヒグマを目当てに、詰めかけた観光客だ。カメラを構えて待ち伏せし、巡回する環境省の職員の注意は無視。ヒグマにつきまとったり、餌付けをしたりする姿も見られた。

 「ヒグマとの距離感はここ数年明らかにおかしい」

 地元の斜里町で宿泊業を営む男性は、ヒグマと観光客双方の警戒感が薄まっていると感じていた。喜んでヒグマに駆け寄っていく観光客もいたという。

 今年8月、羅臼岳で登山者がヒグマに襲われて死亡し...