歴史と人をつなぐ語り部 地域に息づく物語を未来へ

出雲の豊かな自然に囲まれた荒神谷遺跡。ここで、訪れる人々に地元の歴史や伝説を語り継ぐのが、ガイドの長廻三枝子さんです。77歳まで仕事を続けた後、地域活動やボランティアに携わるようになりました。歴史への興味からくにびき学園に入学し、卒業後は地元の良さを伝えたいという思いで、荒神谷遺跡のガイドや小学校での読み聞かせ、子ども食堂の調理ボランティアなど、地域に根ざした活動を始めています。

「歴史が好きで、もっと知りたいという気持ちがずっとありました。学園では年齢の離れた仲間と刺激を受け合い、卒業後も同窓会やグランドゴルフ、女子会など、仲間との交流が続いています。地元の良さを伝える活動は、私にとって新しい挑戦であり、楽しみでもあります」と長廻さんは語ります。

ガイドとしてのやりがいは、知識を得て勉強し、それを来訪者や子どもたちに伝えること。荒神谷遺跡の魅力や地元の歴史を案内し、訪れた方が喜んでくれる瞬間に充実感を感じます。県外から訪れた観光客に地元の古墳や神話を紹介したり、蓮祭りや荒神谷祭りでは子どもたちと一緒にジュースを蓮の葉で飲む体験を提供したりと、地域の伝統行事にも積極的に関わっています。

「まだまだ知りたいことがたくさんあります。ガイドとしても、もっと勉強して、来訪者に分かりやすく伝えられるようになりたい。活動を通じて新しい仲間と出会い、刺激を受けながら自分自身も成長できることが嬉しいですね」と、学び続ける姿勢を大切にしています。

分からないことがあれば、荒神谷博物館の学芸員に相談することも

「60代、70代になっても、好きなことや興味のあることに挑戦してみてください。地域活動やボランティアは、無理にやるのではなく、自分が楽しめることから始めるのが一番です。家に閉じこもらず、仲間と一緒に何かをすることで、毎日に新しい彩りが生まれます。地域の良さを知り、伝える活動にもぜひ参加してみてください」と長廻さんは呼びかけます。

歴史のロマンと地域の魅力を伝える長廻さんの活動は、これからも多くの人に新しい発見とつながりをもたらしていきます。

島根創生計画では、高齢者の活躍推進を掲げ、高齢者の地域活動の参加を応援しています。本企画では実際に、地域で活躍されている方々をご紹介します!