親のひと言で動き出した、畜産家としての新しい一歩
岡田繁樹(おかだ・しげき)30歳
川本町出身。島根中央高校を卒業後、帯広畜産大学(北海道)に進学。卒業後も北海道に残り、アルバイトをしながらアジアやヨーロッパを旅する。23歳でUターン。
Q. Uターンのきっかけは。
親の一言がきっかけですね。
実家が牛の繁殖農家だったので、いずれは継がないといけないと思っていました。
ただ、北海道の畜産大学を卒業してからも、そこでの生活が楽しくて島根には帰らず、1年が経過しました。
帯広でフリーターみたいなことをして、農家でジャガイモ掘りのアルバイトや、飲み屋で働いたりしてたんです。さらにもう1年残りたいと思っていましたが、親から「いいかげんに帰ってこい」って言われて……。
親も高齢だし、いつまでも外にいるわけにもいかないと思いUターンを決断しました。

Q. 島根に戻ってきてどうですか。
親も喜んでくれたし、地元の人に「よう帰ってきたね」って声をかけてもらい、故郷の温かさを感じます。
「まだ帰りたくない」と思っていた自分が、意外と地元の生活に馴染んで、畜産の仕事にやりがいを感じていることに驚いています。


生き物が相手の仕事なので大変さはありますが、自営業なのである程度自由に時間のやりくりができるところは魅力です。朝は5時半くらいに起きて牛の世話をして、昼は田んぼや牧草畑で作業して、夕方また牛の餌やりして……って感じです。
大事に育てた牛が市場で高く評価されて、高値で売れるとやっぱり嬉しいし、それがこの仕事のやりがいで、モチベーションにもなります。

父親とは一緒に仕事をする中で、昔からのやり方を教えてもらったり、時には自分のやり方を試してみたりしています。
父親が長年かけて畜産の基盤を作ってくれたおかげで、今の自分が好きなように挑戦できている部分もあるので、そこは本当に感謝しています。
例えば、牛の育て方や餌の種類も、父親のやり方を参考にしつつ、自分なりに工夫してみたりしています。牛は33頭を育てていますが、もっと増やして、経営基盤を大きくしていくことが夢ですね。
また、親の近くで暮らすことの大事さにも気づきました。一緒に作業をしていると、ちょっと体力が落ちてきたかなとか、親の体調の変化など細かなところに気が付きます。
元気でいてほしいので、近くにいることで親の様子を気にかけられるのもよかった点だと思います。

Uターンを受け入れた親の声

Q. 子どもが島根を離れる時、どのような思いでしたか。
北海道の大学に行きたいって聞いたときも、「いいんじゃないか」くらいの感じで、寂しいっていう気持ちはあんまりなかったです。
私も若いころは故郷を出て、県外で生活していました。だから、子どもには広い世界を見てほしいっていう思いもありましたね。
一度、外に出てみたいという気持ちも理解できます。 ただ、大学を卒業してもなかなか帰ってこないもんだから、「いいかげんにしろ」って(笑)。
私がまだ動けるうちに畜産の仕事を伝えて、早く一本立ちしてほしいと思っていましたから、「帰ってこい」と言いました。
Q. 子どもが帰ってきてどうですか。
子どもと一緒に暮らして、一緒に畜産の仕事ができるのはうれしいもんですよ。
あの時に「帰ってこい」とかけた言葉がきっかけで、将来について考えてくれて、家業も継いでくれた。
最終的に島根に帰り、家業を継ぐという決断をしてくれた子どもにも感謝しています。自分の思いをちゃんと伝えてよかったですね。

親子レター 子から親へ

普段から小言を言い合って、口げんかをする中で、改まって話すことは照れくさいし、言いにくいけど、島根に帰ってくるまで好き勝手やらせてくれてありがとう。
大学4年間に加えて、1年間、フリーターをさせてくれたおかげで、貴重な経験やつながりができました。
家業で畜産を営む中で、5年間の経験が自分にとってプラスになってくれたのは、親父が帯広に行かせてくれたおかげです。
今は厳しい情勢の中で、規模拡大していくことは博打だけど、文句を言わずについてきてくれることに感謝しています。
年には勝てないけど、健康で長生きしてください。いつになるか分からないけど、少しでも楽をさせてあげられるように頑張ります。

手紙を読んだ父の感想
普段はお互いに文句ばっかり言っているからね。まあ、これくらいは当たり前でしょう(照れ笑い)。
あんまり、こういうことを話すようなことはないから。仕事もまじめにやってくれているし、子どもが帰ってきて、(親子で)いい形で一緒に暮らせているんじゃないかな。
~記者の編集後記~
島根に帰り家業を継がないといけないと感じながらも、もう少し広い世界を見たい――そんな思いを抱いていた息子と、その気持ちを理解しつつ「早く一本立ちしてほしい」と願う父。
きっと、同じような状況が多くの家庭であるのではないでしょうか。
「島根に帰ってこいよ」という父の一言で決意した帰郷。
取材中、互いのことを聞かれると照れくさそうに言葉少なになる二人。
そのぶっきらぼうなやり取りの奥に、深い絆と互いを思いやる気持ちが見え隠れしていました。
県外で暮らすお子さんに思いを素直に伝えてみる――。
そんな一歩が、未来を動かすきっかけになるかもしれません。
年末年始に帰省したお子さんとあなたも話をしてみませんか。

数字で見るしまねライフ
仕事が終われば、すぐそこに家があって、
家族みんなで食卓を囲める。
自分のやりたいことに使う時間もある。
島根にあるのは、そんな、ごく普通の暮らしです。
もし、今の生活に疲れを感じていたら、
あなたらしい暮らし方は、島根で見つけられるかもしれません。
仕事
- 自分らしく働きたい!ワークライフバランスが大事!
- あなたを必要としている、あなたにピッタリの職場が見つかります。
通勤時間が短く、帰宅後はしっかりリフレッシュできます。 -
仕事時間
7時間48分 (全国平均8時間3分)
仕事時間の短さは全国4位。ノー残業を推進する企業も多く、その分趣味の時間を増やすなどプライベートの時間もしっかり確保できる。
(土日を含む週全体の平均) -
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
-
通勤・通学時間
往復1時間1分(全国平均1時間16分) -
(土日を含む週全体の平均)
島根県ではマイカー通勤の人が多く、満員電車もほぼ無縁。
「今日は夕陽がキレイだから海に寄って帰ろう」など、
気ままに自分のペースで通勤できる。
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
帰宅時刻
18:07(全国平均18:34)
帰宅時間の平均は18時7分。夏ならまだ明るい時間に帰宅することができる。スポーツで汗を流すもよし、家族団らんの時間を大切にするもよし。
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
若者の就業率
全国1位※15歳〜39歳で算出したもの若者の就業率は堂々の全国1位。地元企業の活躍や多様な雇用機会の提供により、職種も働き方も自分に合った仕事が見つけやすい環境だ。
※R2国勢調査(総務省統計局)
暮らし
自然の中でゆっくり過ごしたい!広い家でゆったり住みたい!
くつろぎながら、自分の生きがいのために時間を使えます。
新鮮な食べ物や温泉も豊富で、潤いのある暮らしが満喫できます。
交通事故
発生件数の少なさ 全国1位(道路実延長千km当たり)
死傷者数の少なさ 全国2位(人口10万人あたり)
慎重でおっとりしている県民性のせいか、交通事故の発生率の
低さは堂々の全国一。都会に比べると交通量も少なく治安も良く、安心して暮らせる。
※社会生活統計指標2024(総務省統計局)
一般診療所数
全国2位(人口10万人あたり106施設)
赤ちゃんからお年寄りまで、必要な時にしっかり医療を受けたいもの。
島根県における人口10万人あたりの一般診療所数は全国2位と
安心の数字である。
※R5医療施設調査(厚生労働省)
住宅地価格
20,400円/m2(東京圏平均:237,800円/㎡)
安さ 全国5位
島根県の住宅地価格は東京圏の10分の1以下。
土地価格が安い分、敷地の広さや家にお金を掛けられるのもメリット。
※R6都道府県地価調査(国土交通省)
睡眠時間
8時間00分(土日を含む週全体の平均)
100歳超えのご長寿の割合日本一や「ニッポン美肌県グランプリ」でグランプリを全国最多の5度受賞など、美容&健康にはちょっと自信のある島根県。たっぷりの睡眠時間もその秘訣の一つである。
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
子育て
結婚・出産しても働き続けたい!
子どもをのびのび育てたい!
仕事をしながら「子どもをもう一人育てたい」という希望もかなえやすい環境です。 自家用車を持ちやすく、通勤途中に保育所の送り迎えもできるので、雨の日でも快適です。
育児をしている女性の有業率
86.8%
全国3位 (全国平均73.4%)
働くお母さんが多く、島根県は全国3位。 仕事を続けながら子育ても楽しみたいという希望を かなえやすい。
※R4就業構造基本調査(総務省統計局)
保育所待機児童数
0人 (全国計2,254人) ※令和7年4月1日現在
保育の受入体制が充実し、近年の待機児童はほぼ発生していないなど、安心して子どもを預けられる環境があります。医療費助成など、子育ての経済的な負担の軽減など支援体制も充実。
※保育所等関連状況取りまとめ(R7.4.1)(こども家庭庁)
合計特殊出生率
1.43
全国3位 (全国平均1.15)
子沢山ママも多く、合計特殊出生率は全国6位。 自然が多く、治安も良く、子どもたちにとっても健やかな環境で成長することができる。
※合計特殊出生率:15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの
※R6人口動態統計 (確定数)(厚生労働省)
