見守る距離、届く情報――親の“伴走”が背中を押した

石倉ももこ(いしくら・ももこ)28歳 東京都からUターン

松江市出身。中央大学在学時に1年間休学し、島根県内のNPO法人でキャリア教育などのインターンシップを体験して、卒業後にUターン。一般社団法人コミュニティナースラボラトリー(出雲市)の執行理事。1児の母。

Q. Uターンのきっかけは。

大学2年生の夏休みに帰省した際に、母がふるさと島根定住財団主催のイベントを紹介してくれたことですね。それがきっかけでUターンを考えるようになりました。

もともと刺激の少なさや島根の狭いコミュニティの息苦しさが嫌で東京の大学に進学しましたが、実際に都会で生活してみると、人間関係の希薄さや満員電車での通学に苦しさを感じるようになってしまって……。

そんな時に母が「東京に戻ったらこのイベントに行ってみたら?」と声をかけてくれ、参加したら同じように上京したけどUターンを考えている人や島根の皆さんと語り合うことができて、やっぱり島根がいいなと思いました。

母がその時声をかけてくれなかったら、島根には帰ってきていなかったと思います。

Q. 島根に戻ってきてどうですか。

家族と距離が近いことをありがたいと思うことが多いです。

子育てでは、母や祖母が近くにいて助けてくれます。急な用事や仕事の時にもすぐに助けてもらえる環境が心強いです。例えば、夫が仕事で不在の時も、母が「今日は預かるよ」と声をかけてくれたり、祖母が娘の面倒を見てくれるので、安心して働くことができています。

周りの支援があるからこそ、自分がやりたかった仕事に挑戦できるし、育児で孤独になることなく過ごせています。東京にいたら大変だっただろうなと思います。

昔は感じていた地元の息苦しさも、Uターンして過ごしてみると、自分らしく過ごせる温かい環境なんだと実感するようになりました。

Uターンを受け入れた親の声

Q. 子どもが島根を離れる時、どのような思いでしたか。

娘は小さいときから都会への憧れがあり、島根を出たいと言っていました。

出ていくときには寂しさもありましたが「娘のやりたいことを全力で応援したい」という思いが強かったです。

娘が東京にいるときは島根の情報が届きにくいと感じていたので、ふるさと島根定住財団のUターンに関する資料や、地元企業の情報などを送るようにしていました。自分もそうでしたが、将来的にはお互い近くにいる方がいいと思っていたので……。

親としては、本人が決めるのを見守ることが役割だと思っていますが、できるかぎり選択肢を増やす手伝いはしたかったので、島根の情報を送り続けました。

Q. 子どもが帰ってきてどうですか。

島根の情報を伝え続けたことで、娘が故郷に目を向けてくれたことをうれしく思っています。

近くにいれば、「元気かな、落ち込んでないかな」と、いらない心配をしないですみますし。

子育てや仕事を両立するうえで支え合うことができるのは、家族みんなにとって大きなメリットです。

私自身も父の介護と娘の出産が重なった際、母が近くにいることで助け合うことができ、この距離感のありがたさを実感しました。これからもできる限りのサポートをしていきたいと考えています。

親子レター 子から親へ


お母さんは幼少期から私のやりたいと思ったことや決めたことを否定せず、程よい距離で見守り、さりげなく選択肢を提示してくれたかと思えば、裏では全力で応援してくれている、そんな姿に昔から今もずっと支えられています。

子育てをしていて、お母さんのような姿勢でいることはとても難しいことだと感じています。

口を出したくなるし、娘の意志より自分の思いを優先したくなったりもします。

でも、母のような母でありたいと思っているので、私にとってお母さんは一番の理解者であり、母としてのロールモデルです。


手紙を読んだ母の感想


ありがたいですね。もったいないですよ。(手紙を読んで)親としての役割は果たしてこられたのかなあと思いました。

これからも、これまでのように、いい関係でいられたらうれしいです。


~記者の編集後記~

まるで友人同士のように仲が良く、ころころと笑い合いながら、「あのときは、ああだったよね」と、Uターンしたころを振り返ってもらいました。

 「(Uターンには)親がアンテナを高く張ることも大事だと思いますよ」とは母の弁。新聞記事や広告、本屋などで地元企業・団体の情報を常に探していたといいます。

確かに都会に出ると、地元の様子を知ることは難しいもの。親が地元で情報収集に動いたからこそ、子にとって最良の選択肢を示せたのだと感じました。

県外で頑張っているお子さんに地元の情報を伝えてみることで、新しい未来が開けるかもしれません。

数字で見るしまねライフ

仕事が終われば、すぐそこに家があって、
家族みんなで食卓を囲める。

自分のやりたいことに使う時間もある。
島根にあるのは、そんな、ごく普通の暮らしです。

もし、今の生活に疲れを感じていたら、
あなたらしい暮らし方は、島根で見つけられるかもしれません。


仕事

自分らしく働きたい!ワークライフバランスが大事!
あなたを必要としている、あなたにピッタリの職場が見つかります。
通勤時間が短く、帰宅後はしっかりリフレッシュできます。
 
仕事時間

7時間48 (全国平均8時間3分)
(土日を含む週全体の平均)

仕事時間の短さは全国4位。ノー残業を推進する企業も多く、その分趣味の時間を増やすなどプライベートの時間もしっかり確保できる。

※R3社会生活基本調査(総務省統計局)


通勤・通学時間
往復1時間1(全国平均1時間16分)

(土日を含む週全体の平均)

島根県ではマイカー通勤の人が多く、満員電車もほぼ無縁。
「今日は夕陽がキレイだから海に寄って帰ろう」など、
気ままに自分のペースで通勤できる。
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
 

帰宅時刻

18:07(全国平均18:34)

帰宅時間の平均は18時7分。夏ならまだ明るい時間に帰宅することができる。スポーツで汗を流すもよし、家族団らんの時間を大切にするもよし。
※R3社会生活基本調査(総務省統計局)
 

若者の就業率

全国1位※15歳〜39歳で算出したもの

若者の就業率は堂々の全国1位。地元企業の活躍や多様な雇用機会の提供により、職種も働き方も自分に合った仕事が見つけやすい環境だ。
※R2国勢調査(総務省統計局)
 


暮らし

自然の中でゆっくり過ごしたい!広い家でゆったり住みたい!
くつろぎながら、自分の生きがいのために時間を使えます。
新鮮な食べ物や温泉も豊富で、潤いのある暮らしが満喫できます。

交通事故
発生件数の少なさ 全国1位(道路実延長千km当たり)
死傷者数の少なさ 全国2位(人口10万人あたり)

慎重でおっとりしている県民性のせいか、交通事故の発生率の
低さは堂々の全国一。都会に比べると交通量も少なく治安も良く、安心して暮らせる。
※社会生活統計指標2024(総務省統計局)

一般診療所数
全国2位(人口10万人あたり106施設)

赤ちゃんからお年寄りまで、必要な時にしっかり医療を受けたいもの。
島根県における人口10万人あたりの一般診療所数は全国2位と
安心の数字である。
※R5医療施設調査(厚生労働省)


住宅地価格
20,400円/m2(東京圏平均:237,800円/㎡)
安さ 全国5位

島根県の住宅地価格は東京圏の10分の1以下。
土地価格が安い分、敷地の広さや家にお金を掛けられるのもメリット。
※R6都道府県地価調査(国土交通省)


睡眠時間

8時間00分(土日を含む週全体の平均)

100歳超えのご長寿の割合日本一や「ニッポン美肌県グランプリ」でグランプリを全国最多の5度受賞など、美容&健康にはちょっと自信のある島根県。たっぷりの睡眠時間もその秘訣の一つである。

※R3社会生活基本調査(総務省統計局)


子育て

結婚・出産しても働き続けたい!
子どもをのびのび育てたい!
仕事をしながら「子どもをもう一人育てたい」という希望もかなえやすい環境です。 自家用車を持ちやすく、通勤途中に保育所の送り迎えもできるので、雨の日でも快適です。

育児をしている女性の有業率
86.8%
全国3位 (全国平均73.4%

働くお母さんが多く、島根県は全国3位。 仕事を続けながら子育ても楽しみたいという希望を かなえやすい。
※R4就業構造基本調査(総務省統計局)

保育所待機児童数

0人 (全国計2,254人) ※令和7年4月1日現在

保育の受入体制が充実し、近年の待機児童はほぼ発生していないなど、安心して子どもを預けられる環境があります。医療費助成など、子育ての経済的な負担の軽減など支援体制も充実。
※保育所等関連状況取りまとめ(R7.4.1)(こども家庭庁)

合計特殊出生率
1.43
全国3位 (全国平均1.15

子沢山ママも多く、合計特殊出生率は全国6位。 自然が多く、治安も良く、子どもたちにとっても健やかな環境で成長することができる。
※合計特殊出生率:15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの
※R6人口動態統計 (確定数)(厚生労働省)