漫画「この世界の片隅に」の原画が並ぶ安来市加納美術館=安来市広瀬町布部
漫画「この世界の片隅に」の原画が並ぶ安来市加納美術館=安来市広瀬町布部

 戦時下の広島県呉市に18歳で嫁いだ女性の日常を丹念に描いた漫画「この世界の片隅に」の原画展が、安来市広瀬町布部の市加納美術館で開かれている。漫画家・こうの史代さん=広島市出身=の繊細でぬくもりの感じられる作品が、来場者を魅了。12月23日まで、計438点を3期に分けて展示する。

 主人公・すずが広島市から呉市へ嫁ぎ、新しい生活に戸惑いながらも、けなげに生きる姿を描いた作品。2007~09年に「漫画アクション」(双葉社)に連載され、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。16年にはアニメ映画化され大ヒットした。

 原画展は単行本に合わせて上巻(10月18日まで)、中巻(10月22日~11月23日)、下巻(11月27日~閉幕)に分けて開催。上巻は90点を展示し、幼少時代や嫁ぎ先での暮らしぶり、呉軍港に入港する戦艦大和を夫とともに見る場面などが並ぶ。

 全て手描きで、遠近感を捉えるために目安として引いた青色の線、直筆の文字なども残る。

 このほか島根ゆかりのパラパラ漫画風の作品「ぼおるぺん国引き神話」「ぼおるぺん神在月」も披露している。

 毎週火曜日休館(祝日の場合は翌日)。有料。10月にはこうのさんを招き、高校時代の恩師である広島市在住の画家・久保田辰男さんとの対談会(詳細未定)を計画する。問い合わせは市加納美術館、電話0854(36)0880。
       (渡部豪)