出会いは地域を明るくする

雲南市で「はぴこ(島根はっぴぃこーでぃねーたー)」として活動する福間廣明さんは、縁結び支援に携わって15年以上になります。
きっかけは、県の事業が立ち上がる際に知人から声をかけられたことでした。
前年には奥様が雲南市内の縁結びの会で活動を始めており、夫婦で地域に関わる流れが自然に生まれたと振り返ります。
定年後に地域へ恩返しをしたい思いに加え、社会活動が自分の健康にもつながるという実感が後押しとなり、参加を決めたそうです。

はぴこの仕事は、相談に訪れた方の話を丁寧にうかがい、別の相談員と連携してお相手を検討し、合意が整えば日時と場所を整えるところから始まります。
最初の顔合わせには同席し、喫茶店など落ち着いて話せる場で、二人が自然に会話を始められる雰囲気づくりを心がけます。
すぐに結果が出る仕事ではありませんが、信頼を一つずつ積み重ねていくことが何より大切だと福間さんは語ります。

活動を続けるなかで一番の喜びは、幸せの報告を受け取る瞬間だといいます。
「結婚しました」「子どもが生まれました」という知らせが届くたび、自分のことのようにうれしくなるのだそうです。
年賀状に家族写真が増えたり、お歳暮をいただいたりと、その後も交流が続くことも少なくありません。
ひと組の幸せは本人同士にとどまらず、家族や親族、そして地域全体を明るくすると実感しておられます。夫婦で取り組めることも楽しみで、共通の話題が増え、暮らしの張り合いにもつながっていると話します。

一方で、相談内容や背景は多様化しています。
若い世代の価値観や装い、再婚の希望、国籍の違いなど、配慮すべき点は少なくありません。
そのため、事前のマナーや心構え、連絡の取り方など、基本的な約束事を最初に丁寧に共有することを心がけているそうです。
土台に信頼関係がしっかりあるかどうかで、その後の歩みは大きく変わっていきます。

福間さんは、近年の地域への帰属意識の低下を憂慮しながらも、「今の地域をつくってくださった先輩方の思いを、今を生きる私たちが次へつなぐことが大切です」と力を込めます。
定年後は家にこもりがちになりますが、人と関われば頭も心も動き、健康にもつながると身をもって感じておられます。
「大げさなことをする必要はありません。できる範囲で、できるところから始めてみてください。あなたの一歩が、誰かの未来を支え、地域を元気にします」。
福間さんは今日も、静かなまなざしで“縁”を結び続けています。


