島で育むやさしい居場所

「私は西ノ島の生まれです。結婚後は夫の転勤で県内をあちこち移り住み、長く地元を離れて暮らしていました。定年後に島へ戻ってきて、改めて“顔を合わせておしゃべりできる場”の大切さを感じたんです」——そう語るのは、ひまわり会の会長・竹山初枝さん。

地域の集まりをのぞいたとき、ちょうど会長の交代が検討されており、当時いちばん若かった竹山さんが「それなら」と引き受けたのが始まりでした。
以後、“無理なく続けられる居場所づくり”を合言葉に、月1回(夏季除く・年10回)の活動を続けています。
会食交流や外食会、会員持ち寄りの勉強会、軽い体操に季節行事(七夕・敬老・ミニ運動会・忘年会)まで、内容は多彩です。
コロナ禍でも見守り訪問や配食でつながりを切らさず、令和5年4月からは対面活動を再開しました。参加者は70~90代が中心で、男性が約4割と比較的多いのも特徴です。


「会食やお茶の時間に“家では話さない話”が生まれて、表情がほどけていく瞬間がいちばんうれしいですね」。
会員の経験や興味を生かした発表、警察や地域おこし協力隊を招いた健康・防犯・脳トレ講話など、学び合いの機会も重ねてきました。
古新聞で作ったごみ入れなどの作品は、希望に応じて病院や施設に寄贈。

「助かっています」と感謝が返ってくる実感が、次の原動力になります。小学校での七夕飾りづくりや保育園との交流など、世代間交流も大切にしており、「顔を見て声をかけ合う」関係が少しずつ広がっています。

運営の要は、「気軽であること」と「役割を分け合うこと」。年末に振り返りを行い、会員の意見を積極的に取り入れて翌年の計画に反映します。
誰もができる範囲でひとつ役割を持つ——その設計が、長く続く秘訣です。
「特別なことは要りません。まずは元気なうちに一歩だけ外へ。お茶を飲む、短く散歩する、それだけでも気持ちが軽くなります」。

困ったときは「お願いします」、余裕ができたら「今度は私が」。
小さなコミュニケーションの積み重ねが、孤立を防ぎ、心と体の健康を守り、島の暮らしをやさしく強くしていきます。


