料理が結ぶ人の輪と生き生きした毎日

「大根は切れ目を入れてレンジでチンすれば、長時間煮なくても味がしみるんよ」「こんにゃくは薄く切って串に刺しておくと、これがまたおいしいの」――。
自宅で「中(なか)ちゃん料理教室」を開く田中直子さん(71)は、管理栄養士としての経験を生かし、この日も地域の皆さんと一緒に「時短おでん」作りに取り組んでいました。

「ユーチューブの料理動画を見て、よさそうだと思ったものはどんどん試してみます。簡単な工夫で料理が楽になるなら、その方がいいですからね」と笑顔で話します。
料理教室を始めたきっかけは、50歳ごろ。市内で講座を担当していた知人から「代わりにやってみない?」と声をかけられたことでした。
それ以来、仕事と両立しながら月1~2回のペースで講座を続け、場所を変えながら20年ほど活動してきました。
コロナ禍で一度は休止したものの、「また集まりたいね」という周囲の声に後押しされ、2年前から自宅で再開しました。

やりがいを感じるのは、「みんなで作った料理を囲んで『おいしいね』と言い合える時間が本当にうれしい」という瞬間です。
参加者とおしゃべりしながら手を動かす時間は気分転換にもなり、「料理を通して人とのつながりが生まれることがうれしい」と話します。

同世代の人たちには、「家の中だけで過ごすのはもったいないですよ」とやさしく呼びかけます。
編み物や刺しゅうなど、どんな小さな趣味でも外に向けて少し開くことで、誰かの役に立ったり、わずかでも収入になったりと、日々の張り合いにつながると感じているからです。

「知り合いが一人増えるだけで、毎日が少し明るくなります。難しいことをする必要はないので、まずは一歩踏み出してみてほしい」。
その言葉には、人とのつながりを大切にしてきた田中さんの思いがにじんでいます。


