大雨で崩壊した遊歩道=雲南市掛合町入間、八重滝
大雨で崩壊した遊歩道=雲南市掛合町入間、八重滝

 秋の紅葉のシーズンを前に、雲南市内の名所・八重滝(掛合町入間)への立ち入りができなくなった。7月の記録的な大雨で遊歩道が崩壊し、復旧のめどが立たないため。例年、観光客を楽しませる渓流の惨状に観光関係者は頭を抱え、立ち入らないよう注意を呼び掛ける。

 「残念としか言いようがない」

 山々が徐々に色づき始める9月下旬、変わり果てた八重滝の姿に市観光協会の有元純代さん(39)が肩を落とした。お勧めスポットとして毎年、アピールしてきたが、今年は案内ができなくなった。

 龍頭が滝(掛合町松笠)とともに「日本滝百選」に選ばれた八重滝は、市内屈指の紅葉の名所。民谷川沿いに流れる大小八つの滝と真っ赤に染まった葉のコントラストが好評で、新型コロナウイルス禍以前は10、11月を中心に毎年約3万人が訪れていた。

 今年も美しい風景が見られると期待されていた中、大雨が山陰両県を襲った。中でも雲南市は被害が大きく、八重滝では1・5キロの遊歩道で少なくとも12カ所が破損。土砂によって道が完全に遮断された箇所や、濁流で道が無くなった箇所があり、危険地帯へと変貌した。

 市は立ち入らないようホームページ上で呼び掛けたが、興味本位で侵入する事例が絶えず9月、入口に規制テープを張った。市観光振興課の高橋司課長は「道自体が流され、大変危険な状態となっている。今は絶対立ち入らないようお願いしたい」と注意を促す。

 市は島根県と協力し、崩れた遊歩道の修復を急ぎたい考えだが、被害の規模が甚大なだけに復旧の見通しは立っていない。大雨から2カ月半たった今も爪痕が秋の行楽に影を落とす。
      (清山遼太)