062020年7月丸山達也知事から史上2人目の県民栄誉賞を受け取った里見香奈さん(今年3月)地元の声援が励みに〜 里見香奈さんインタビュー 〜 県民栄誉賞を受けた里見香奈さんに、受賞や将棋、ふるさとへの思いなどを聞きました。― 受賞が決まったときの感想を教えてください。 「自分が受賞してもいいのかという思いはありましたが、評価していただいたことを自分の励みにし、地元の方を元気づけられればという思いで引き受けさせていただきました。受賞後、多くの方々に声をかけていただき、大変な賞をいただいたとすぐに実感しました」― 住んでいる大阪から見たふるさとはどうですか。 「19歳の頃から大阪に住んでいますが、今でも出雲そばやしじみ汁を頻繁に食べたくなります。大阪にもしじみ汁はありますが、やっぱり親が作ってくれたものがいいですね。ふるさとは帰るだけで落ち着きますし、帰るのを楽しみに頑張れています」― 新型コロナウイルスによっていろいろな面で大変な状況 です。島根の皆さんへメッセージをお願いします。― 将棋の世界でも人工知能(AI)が話題となっ ていますね。 「AIソフトがプロ棋士に勝ったりもしていて、AIの著しい進化を感じます。研究でAIを取り入れることもありますが、自身の考える力が低下してしまうと思い、あまり積極的には取り入れていません。棋風に合う、合わないがあると思うので、自分の個性を生かしつつ、いい部分は取り入れたいです」― 将棋をする上で支えになっているものは何ですか。 「地元の方々の声援はすごく励みになっていて、それで頑張れているなと多々実感します。私が最初のタイトルを獲得した倉敷藤花でも、公開対局の会場となった岡山県倉敷市のホールに、地元の方々もたくさん応援に来てくださいました。対局後に家族をはじめ、多くの方々が喜んでくださっていた姿が印象に残っています。日々の対局は、主に大阪や東京の将棋会館などで行いますが、タイトル戦だと地方で行われることも多いです。地元の方やファンの方とお会いする機会もあり、たくさんの方々の支えで対局できていることを実感しますね」※里見さんは出雲文化伝承館(出雲市大社町)で対局 したことも。第46期岡田美術館杯女流名人戦5番勝 負第2局など(令和2年)。 「心が痛くなるニュースを目にしたり、私自身もタイトル戦が延期になったりしました。地元の現状も家族や友人から聞きました。距離が離れている分、余計に心配です。多くの方々が大変な思いをされていると思いますが、体調を第一に考えて、過ごしていただきたいと思います。私も県民栄誉賞をいただいたことや地元の声援を励みに、新たに頑張っていきます」
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