丸山 達也 知事丸山達也知事に作品を説明する澄川喜一氏たがってどんどん細く丸くなっています。見る角度によってはひねって見えたり、曲がって見えたりしますよ。知事 いつごろから美術の道へ歩もうと考えていましたか。澄川 彫刻をやろうと思った原点は、岩国市の工業学校に通っていたときに見た錦帯橋。巧みな木組みで作られています。「そりのあるかたち」という作品を創っていて、錦帯橋は「そり橋」です。川と城山と橋のアーチとのバランスがよく、環境造形といって風景に合う形。自然と環境、そして錦帯橋という歴史的な建築物が大恩人です。知事 「そりのあるかたち」というコンセプト。人がまねできない先生の芸術ですね。澄川 日本刀も弧を描いています。刃を上にすると膨らみ、下にするとそる。そういう独特の曲線から発想を得て、作品は少しカーブしたり斜めにしたりしています。郷土の偉人と恩師澄川 進学で上京するとき学校の先生から「森鷗外と雪舟を持って行け」と言われました。当時、島根から東京に行くのは大変なことで「どこから来たのか」という雰囲気もありました。鷗外と同郷だと話すことで、島根出身ということに自信を持つことができましたね。知事 今、島根創生計画でも人づくりに力を入れています。郷土の偉人の影響や恩師の存在は大きいですね。澄川 ええ。東京芸術大学では、平櫛田中先生の教室に入りました。「人のまねはするな」というのが、当時80歳の先生の最初の言葉。まねにおぼれることなく、アイデアは自分で探すことの大切さを学びました。みんなで島根を盛り上げる知事 新型コロナウイルスの影響が最小限となるように、今年も感染症対策や経済対策にしっかり取り組みます。その上で人口減少対策といった本来の課題にも立ち向かい、県民の皆さんが明るく過ごせる年となるよう尽力していきます。澄川 今年11月には個展を予定していて、それに向けた新作を創ります。島根のためにできるだけのことはしますので、みんなで盛り上げましょう。知事 大変心強いです。これからもよろしくお願いします。ひら くし でん ちゅうもり おう がいせっ しゅうこ
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