紙上講演 関西学院大客員教授 大崎 麻子氏

女性の力が世界を変える

 活躍が社会発展の条件

大崎 麻子氏
 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が5、6の両日、松江市と米子市であり、国連で途上国の女性のエンパワーメント推進などを担当した関西学院大客員教授の大崎麻子氏(47)が「女性の力が世界を変える」と題して講演した。女性の活躍は、中長期的な経済成長を生む大きな要素であると説いた。要旨は次の通り。

 今、国際的なキーワードは「サステナビリティ(持続可能性)」。各国の経済、社会を持続させることで、実現には、男女が等しく権利や機会を持ち、意思決定にも対等に参画する「ジェンダー平等」と、自己決定力を高める「女性のエンパワーメント」が欠かせない。

 1990年代に携わった途上国支援で、女性が知識や経済力を身に付けると、子どもの健康増進や教育向上、地域の活性化につながった。世界銀行など多くの国際機関・団体が、女性の活躍が経済成長と社会発展の必須条件と指摘する。

 世界経済フォーラムが昨年発表した、男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数」で日本は144カ国中114位の下位。健康、教育、政治、経済の4指標のうち、政治と経済で格差が大きく深刻だ。女性の労働参加率は増えたが、賃金格差があり、意思決定ポジションへの登用率も低い。国会議員の女性比率(衆議院)も9%と低く、男女平等に向けた法律や政策が整わない要因になる。

 女性が管理職になりたがらないと男性側からはよくいわれるが、違う。今まで女性は男性に比べて、重要な仕事を任されてこなかったため、自信や経験や人脈が少ないことが背景にある。一方、家事や育児、介護の負担は共働きでも女性に偏りがちで、男性は初めからげたを履かせてもらっている。問題の解決には男性の長時間労働の解消も不可欠だ。

2018年9月7日 無断転載禁止