侍ポーズと「正直、公正」

 何だかすっきりしない。宮崎市で開かれている野球の18歳以下によるU18アジア選手権。夏の甲子園を沸かせた秋田・金足農の吉田輝星投手のルーティンに日本高野連からストップが掛かった▼中堅手とともに刀を抜くようなしぐさをし合う「侍ポーズ」。国際大会では相手への侮辱行為ととられる可能性があるとし、大会前に禁止を命じられた。相手に向かって行くわけではなく、何もそこまでと思ってしまう▼同様の過剰反応は、きのう告示された自民党総裁選でも見られた。3度目の挑戦となる石破茂元幹事長(衆院鳥取1区)の「正直、公正」のスローガンに、石破氏を支持する参院竹下派を束ねる吉田博美参院幹事長が嫌悪感を示した▼3選を目指す安倍晋三首相への個人攻撃に映るという理由からだが、「正直、公正」は政治家として当然のこと。これでは森友・加計学園問題での安倍首相の対応が「虚偽、不正」だと身内が認めたのか、と勘繰りたくもなる▼直前の台風に北海道での地震と大規模な自然災害が相次ぐ中でのプレーボールとなった総裁選。石破氏は災害対応で政策論争がかすんでしまうことを懸念し、「延期は当然あり得ること」と総裁選の仕切り直しを求めたが、かなわなかった▼安倍、石破両陣営とも出陣式を含めた選挙活動を9日まで中止する。3日間の空白期間がどう影響を及ぼすのか。憲法改正や地方創生など争点は多い。週明けからは、金足農・吉田投手の投球のように真正面から政策を投げ込み合ってほしい。(健)

2018年9月8日 無断転載禁止