世事抄録 ドリーム・ベースボール

 江津市で元プロ野球選手を招いた「ドリーム・ベースボール」があった。400勝投手・金田正一氏の講演と「元プロ」チーム対同市選抜チームの試合で、プロ野球好きの私は弁当持参の遠足気分で出かけた。

 講演は最前列に陣取った。金田氏は85歳、大きな張りのある声で話す姿に若き日の勇姿が重なり、胸が熱くなった。昭和33年の開幕戦で長嶋茂雄選手から連続4三振を奪った時の心理など、ワクワクして聞いた。野球解説者の話がつまらない時は演歌を口ずさんでやり過ごしたとのエピソードも披露。その際、氏がハミングしてみせたメロディーは、歌手だった前の奥さまの持ち歌だった。皆気づいただろうか。

 試合には懐かしい選手たちが登場した。一塁コーチャーズボックスは「悪太郎」堀内恒夫氏。スタンドから「投げろー」と声がかかると、「腰が悪くて」とジェスチャーで返した。「マサカリ投法」の村田兆治氏は足は高く上がったが球は地上を徘徊(はいかい)。元阪急の加藤秀司氏はかなりの巨漢になっていたが、打席のたたずまいに昔の面影があった。最終回、比較的若い桑田真澄氏が転びながら本塁を奪い、試合は引き分けた。

 確かに力は衰えていたが、真摯(しんし)な姿勢と変わらぬ個性に、身を乗り出して観戦した。帰りの車中、金田氏と各選手に思いをはせ、彼らによる次回開催地が気になった。

(浜田市・清造)

2018年11月1日 無断転載禁止