レッツ連歌(下房桃菴)・2月14日付

(挿絵・Azu)
 なぜ教えたと逆ギレをする

慎重に準備重ねたサプライズ (松江)桑谷  夢

怪しげな横穴ありと刑事来て (美郷)源  連城

警察でたった一泊したばかり (雲南)安部 小春

お年玉小中高で格差つけ   (益田)石川アキオ

お隣りは一桁違うお年玉   (江津)花田 美昭

ヒミツだとあれほど念を押したのに

              (松江)須山 吉雄

内緒だと言うからしゃべりたくなるの

              (出雲)友村 直美

隣には内緒で行った空の旅  (浜田)山崎 重子

付き合ったオンナの過去のオトコたち

              (出雲)放ヒサユキ

夫にも明かさなかったペンネーム

              (益田)石田 三章

ゼネコンは予定価格で落札し (松江)岩田 正之

カーナビに頼らなくても曲がれるワイ

              (美郷)芦矢 敦子

美しく変身できたペンネーム (松江)森  笑子

か~ごめかごめか~ごのな~かのと~り~は

              (松江)佐々木滋子

発表は四月一日だったのに  (江津)岡本美津子

整形は何十年も前のこと (江津)江津のペーター

仲裁の節度忘れた勇み足   (松江)庄司  豊

結局は謝罪会見開くハメ 

           (沖縄・石垣)多胡 克己

ほんとうは父より母が五つ上 (松江)高木 酔子

宿題は自分でしなきゃ意味がない

              (出雲)野村たまえ

実力で結果出したい七光り  (雲南)錦織 博子

合コンで双子の姉妹入れ替わり 

              (松江)澄川 克治

お客さまLLサイズはこちらです

              (松江)小谷由紀子

孫に負けてひっくり返す将棋盤 

              (益田)石川アキオ

寝小便まだやっている五年生 (出雲)吾郷 寿海

継母と知らず甘えていたかった 

              (松江)加茂 京子

覚えない寝言にからむ青い妻 (江津)佐野千寿子

気の弱いワタシ嘘などつけません

              (安来)根来 正幸

蒸れるからときどき外すヘアピース

              (松江)田中 堂太

勘当の息子から来た見舞状  (松江)三島 啓克

松茸のシロはすっかり荒らされて

              (川本)大畑喜美子

行き先を知っているのは丁稚だけ

              (浜田)勝田  艶

始まってすぐ終わりますこの恋も

              (益田)吉川 洋子

癌告知医師はいつもの顔をして 

              (出雲)岩本ひろこ

借金のカタに取られた庭の松 (江津)花田 美昭

米寿には見えぬ若いと褒めちぎり

              (雲南)錦織 博子

ミステリー大賞ここがおもしろい

              (美郷)源  瞳子

ケータイはあなたとボクを結ぶ糸

              (江津)井原 芳政

          ◇

 ヒサユキさんの句は、「オンナの過去のオトコたち」という表現がおもしろい。リズムもいいですね。

 博子さんの「実力で結果」も、「七光り」が光っております。

 由紀子さんの「LLサイズ」は“会話文”だけで一句に仕立てたセンスがすばらしい。ここで“地の文”を入れると、説明くさい作品に、きっとなります。

 アキオさんの「将棋盤」は、もと「孫に負けひっくり返す」とあったのを、「負けて」と「て」を入れさせていただきました。

 不審に思われるかもしれません。というのも、きっちり五七五で納まっていた原作を、わざわざ字余りに変えてしまったのですから。でも、「て」のないのとあるのと、声に出して読み比べてみてください。私は断然、後者がよいと思うのですが…。

 もっとも、この違いに、助詞「て」のどんな機能がどのように関わっているのか、自分でも説明がつきません。どなたか教えていただけませんか。

          ◇

 3月第2週の前句は、

  徹夜する覚悟を決めてコーヒー入れ

 付句は今度は短句(七七)です。

               (島根大名誉教授)

2019年2月14日 無断転載禁止

こども新聞