レッツ連歌(要木木純)・2月28日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 前回の入選句から前句を選んで、付けてもらいました。

          ◇

◎あなたも月へ行ってみないか

医者からは遠出は無理といわれてる

              (江津)佐野千寿子

一泊か二泊かそれとも日帰りか

              (美郷)福田美智江

◎フィナーレ迎え緞帳が下り

おかしいなあるはずなのにアンコール

              (松江)中村 清子

皆さんも行き先ちゃんと言っといて

              (浜田)佐々木わこ

◎八パーセントもこれでおさらば

前払いさせて下さい葬儀料  (浜田)勝田  艶

◎わけのわからぬ横文字が増え

人生の初期化ただいま実施中 (出雲)行長 好友

◎遺言ちょっと変えてみようか 

息子達かわるがわるにやってくる

              (益田)吉川 洋子

何となくいやな噂が流れて来 (松江)松岡 治恵

◎シミとシワとが生きた勲章

化粧品のビフォアモデルにされるのも

              (益田)可部 章二

かくすのもだんだんめんどくさくなり

              (浜田)松井 鏡子

◎泣いて笑って先へ先へと

幸せは山のあなたの空遠く  (松江)花井 寛子

対岸が遠く感じる寒中泳   (松江)川津  蛙

◎いくさ無き世に安堵しながら

決着がつかぬ隣の境界線   (江津)花田 美昭

縁側で爪を切ってる忍者さん (出雲)遠藤  伸

◎なんだか妙に落ち着いている

初デートだといっていたはずなのに

              (松江)相見 哲雄

二歳児の嵐の前の静けさよ  (安来)足立 純枝

◎いろいろあって曇りのち晴れ

窓際の席で無言の一人旅   (雲南)安部 小春

◎むらに一軒残るあばらや

鬼平もさすがにここは気づくまい

              (松江)佐々木郁雄

五メートルずれてしまった高速道

              (益田)石川アキオ

◎置いていくもの持っていくもの

子どもらが帰ると金目の物が減り

              (出雲)櫛井 伸幸

わたくしを連れて逃げてはくれないの

              (出雲)吾郷 寿海

あの世にはわたくしだけで参ります

              (美郷)源  瞳子

待ってくれオレが悪いと頭下げ 

           (埼玉・所沢)栗田  枝

◎増え続けてる国の借金

めでたくも肩身の狭い高齢化 (松江)三島 啓克

◎漢字二文字に議論伯仲 

銅剣もX線で調べられ    (松江)庄司  豊

           ◇

 千寿子さん、美智江さんのとぼけた付け方、私の好みです。伸幸さんはご自身の句につけました。時にはいいでしょう。ただ、応募作は、末五字が「減っていく」となっており、前句の「いく」と重なっているので、少し変えました。寿海さん、瞳子さん、枝さん、の三句は、合わせて読むと、何か一つの物語ができるようで、面白い。夫婦には、いろいろありますねえ。連歌の恰好の題材です。

           ◇

 それでは、今回の入選句から、前句を選び、今度は、短句(七七)を付けて下さい。前句から、できるだけ離れて、視点を変え、元に戻らないように気をつけましょう。

                (島根大教授)

2019年2月28日 無断転載禁止

こども新聞