きらめく星 火星とすばるの接近

3月31日午後8時ごろ、火星とすばるの接近の山陰での見え方
31日の前後2週間が見ごろ

 昨年の夏は火(か)星(せい)がたいへん明るく見えていました。それは火星が地球から約5800万キロメートルという距(きょ)離(り)にまで近づいたためです。夜空の中で赤く、力強く輝(かがや)いていた火星の様子を、覚えている人も多いことでしょう。

 空に出る星(せい)座(ざ)は季節により変わり、夏に火星と一(いっ)緒(しょ)に見えていた星座は、冬にはほとんど見えなくなってしまいました。しかし、火星などの惑(わく)星(せい)はずっと同じ星座に見えているのではなく、となりの星座へと移(うつ)っていきます。夏以(い)降(こう)火星は、やぎ座、みずがめ座、うお座、おひつじ座と移(い)動(どう)し、春になった今でも空に見え続けています。

 ただし、地球からの距離はおよそ3億キロメートルに遠ざかったため、さすがに夏のころの輝きはなくなってしまいました。それでも、空を見てすぐにわかるくらいには目立っています。

 もうすぐ火星は、おうし座に見えるようになります。おうし座には、プレアデス星(せい)団(だん)という星の集まりがあります。肉眼(にくがん)で見ても数個(こ)の星がわかり、双眼鏡(そうがんきょう)を使うとたくさんの星が見られます。日本では昔から「すばる」と呼(よ)ばれ、親しまれてきました。そのすばるに火星が並(なら)びます。

双眼鏡で見たイメージ図
 火星とすばるは3月31日に最も接近(せっきん)します。その日をはさんだ、およそ2週間が見ごろです。すばるは午後8時ごろ、西の空に見えます。すばるの近くにはアルデバランというオレンジ色の星もありますが、火星はアルデバランより少しだけ暗く、すばるに近いところにあるので区別できます。

 この眺(なが)めは肉眼でも十分楽しめますが、双眼鏡ではそれらを一度に捉(とら)えることができ、赤っぽい火星と青っぽいすばるの色の対(たい)比(ひ)がすばらしいでしょう。

 なお、長らく見えていた火星はこの春でいったん見(み)納(おさ)めとなります。年末の夜明け前にまた見え始め、来年秋には明るく輝きます。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2019年3月20日 無断転載禁止

こども新聞