世事抄録 「日本は壊れた」を考える

 昨年の国会での、文書改ざんや隠蔽(いんぺい)、高級官僚の虚偽答弁がまだ残り火のようにくすぶっている時に、ダメ押しのように統計不正が発生した。質問に立った野党の幹部が冒頭で、「もううんざりです」と言っていたが、本当に深刻な事態だと思う。

 ここに至って、「日本は壊れた」とする論説が出ている。難しい分析はともかく、感覚的にそう思う人は少なくないだろう。日本は安全性と信頼性の高さで世界の筆頭であった。ところが阪神淡路大震災を端緒として連続した大規模自然災害と、その後の復興の遅さで安全神話がもろくも崩れた。そして次が国会の不祥事による信頼性の崩壊である。国権の最高機関である国会でうそがまかり通るような国を、誰が信頼してくれようか。

 昔、マレーシアの首相が、日本を見習おうという意を込めて、「ルックイースト」政策を掲げられたことがあり、われわれの自尊心がくすぐられた記憶があるが、今や真逆の状態にある。

 さて国民はどうすればよいのか。「もう勝手にやってくれ」と投げ出すのか。いや、それでは政治はもっと悪くなる。ここは、この状態の責任の一端は投票権者であるわれわれにもありと自覚・反省し、少しでも信頼性の高い政治が行われるよう、春からの一連の選挙に真剣に取り組むことが大切だと思うのである。

 (松江市・幸兵衛)

2019年3月28日 無断転載禁止