世事抄録 地方議員の資質とは

 最近、地方議会について「定員割れ」や「資質に疑問」といったことをよく聞く。つい先日も、テレビで大学教授が、地方議員は自治体の仕組みや法令ついて行政職員に負けない知識・識見をしっかり身に付けるべきだ、とコメントしていた。

 一見正論に聞こえるが、あえてこれに異を唱えてみたい。なぜなら、議員不足の昨今、県議会レベルならまだしも、小さな町村の議員に対して、そのようにハードルを上げるのは現実的ではないと思うし、そもそも町村議員に「職員並みの知識」が本当に必要だろうか、とも思うからだ。

 もともと行政のプロではない議員がプロ並みの知識を身に付けるのは大変だが、議員は皆大変な努力をしている。だが、そうして一定の知識を身に付けると、中には、行政に対してやたらと物分かりがよくなり、知らず知らずのうちに行政に代わって住民を説得したりするのが、住民と行政との橋渡しだと勘違いする議員も出てくる。これでは、本人の高い意識とは裏腹に、本来の議員の役割である住民目線のチェック機能が鈍りかねない。

 もちろん勉強は大事だが、プロの知識を得ることに時間や手間を費やすのではなく、あくまで住民感覚第一の「最強の素人」として行政をチェックすることが、本当の住民と行政の懸け橋になると思うのだが、皆さんはどう思われますかな。

 (島根県津和野町・柊)

2019年4月4日 無断転載禁止