レッツ連歌(要木木純)・4月25日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
◎結局あけてみた玉手箱

さっそうとシルバーヘアで街歩く (美郷)芦矢 敦子

◎あの世へ行くのも当分はヤメ

令和期の空気も吸って吐いてから (雲南)錦織 博子

受付がこみあってるとエンマ様  (益田)石田 三章

イケメンの介護士さんに一目惚れ (江津)岡本美津子

◎なんどやっても同じ結末

逆上がり今日も明日も明後日も  (米子)板垣スエ子

二歳児がパズルのピースもってゆき(松江)森  笑子

ケーキ見て我慢できないダイエット 

             (熊本・天草)龍石美和子

息止めてそっと足おく体重計   (米子)烏田真理子

◎そんな約束俺がいつした

週三日肝臓休める日と定め    (松江)岩田 正之

瑞風は眺めるだけじゃつまらない (松江)高木 酔子

◎引き返したい引き返せない

忘れ物気づいた時はバスの中   (益田)石川アキオ

◎顔を見せずに糸を引く嫁 

今晩も機を織ってる音がする   (出雲)行長 好友

どこにでも闇将軍が君臨し    (松江)田部 和美

◎ともだち百人つくったけれども

量よりも質が大事と気付かされ  (出雲)櫛井 伸幸

選挙では役に立たないヤツばかり (松江)川津  蛙

◎過去はともかく今のあんたじゃ

神童も二十過ぎればただの人   (松江)三島 啓克

保釈金十億円は高すぎる     (安来)根来 正幸

◎前に広げた求人情報

定年後のんびりなんてさせぬ妻  (雲南)安部 小春

きび団子一つで命かけますか   (美郷)源  瞳子

◎開放的な全裸生活

玄関のチャイムにハイとつい応じ (美郷)吉田 重美

脱ぐこともめんどうくさくなりました

                (出雲)有藤 晴幸

◎金もなければ体力もない

知恵袋堪忍袋があるじゃない   (江津)佐野千寿子

家族からつれなくされる十連休  (松江)山崎まるむ

幸せはいつもどおりが続くこと  (安来)景山 恒夫

         ◇

 学生の卒論やリポートの指導では、根拠をはっきりと提示し、論理の進め方に飛躍がないようにといっていますが、連歌は違います。敦子さんの句は、なぜさっそうと歩いているのか、理屈がわからないけれども、その説明不足が、いろいろと読者に考えさせるように作られています。

 日常生活で、ふと面白く感じたことや思いついたことを、記憶にとどめてください。酔子さん、恒夫さんもいつも思っていることが、たまたま前句にぴったりだったのではないでしょうか。ちょっと付け方がずれていても、読者の方が頭の中で補ってくれるのです。

 では、今日の入選句を前句に選んで、それに短句(七七)を付けてください。

 さて、5月第5週は黒田光さん担当のレッツ連歌スペシャルがあります。今回は、

 スカートの裾ひるがえしつつ

に長句(五七五)を付けてください、とのことです。思いがけない発想の句をぜひご応募ください。

        (島根大教授)

2019年4月25日 無断転載禁止

こども新聞