鳥取の重要文化財 旧美歎水源地水道施設 市が再整備 新名所に

美歎川のそばに造られた五つのろ過池(左)
 大正期の1915年に山陰両県初の近代水道施設として建設され、60年余り鳥取市の水がめとなってきた重要文化財・旧美歎(みたに)水源地水道施設(鳥取市国府町美歎)が補修されて昨年4月から一般公開され、新たな名所になっている。改築されずに当初の姿を残す点でも、貯水池と浄水施設が近接する点でも全国的に珍しいという。7月24、25日に現地も会場にした近代化遺産の全国大会を控え、あらためて注目されそうだ。

 市教育委員会文化財課によると、市が当時の年間予算の5倍相当となる51万円を投じて建設した。それまで市民の多くは中心市街地を流れ、生活排水も混じる袋川の水を飲用。鳥取城と城下町が整備されるまで湿地だった中心市街地は井戸を掘っても臭い水しか出ず、良質な水の確保が課題だった。

 山あいの清流・美歎川にダムを設けて貯水池を造り、すぐ下流に五つのろ過池がある。貯水池の上流には流れ込む水の量を測る量水堰(ぜき)もあり、施設の総面積は約16万平方メートル。ろ過池そばの建物は中のバルブを覆うだけだが、洋風のデザインになっており、近代的な雰囲気を醸し出す役割があったとみられるという。

 老朽化や他の水源地整備に伴い78年に水がめの役目を終えたが、ダムは砂防ダムとして現在も活用。2007年に重要文化財に指定された。市が5億円かけ傷んだ建物を補修し散策路を設け再整備。近代文化遺産として再び日の目を見た。

 4~10月に公開され、月に500人以上が訪れる人気スポット。子どもの頃に遠足で訪れた高齢者を懐かしがらせ、結婚や成人の祝いに記念撮影に来る若者もいるという。市教委文化財課の岡垣頼和主任は「鳥取を近代化しようとした先人の情熱を感じてほしい」と話す。

 全国近代化遺産活用連絡協議会主催の大会は7月24日にとりぎん文化会館で講演など、25日には旧美歎水源地水道施設で現地説明会などがある。

2019年6月29日 無断転載禁止

    • マイベストプロ
    • マイベストプロ島根 マイベストプロ鳥取マイベストプロ