プロの目 駆け引きで後手に

【男子シングルス準々決勝】サーブを放つ錦織圭=ウィンブルドン(共同)
 ウィンブルドンで初の4強に挑んだ錦織圭(日清食品)だったが、8度の優勝を誇る芝の王者、ロジャー・フェデラー(スイス)にはね返された。元プロらはサーブとリターンの駆け引きで後手に回り、勢いを失ったと分析した。

速攻、粘り強さは評価

 今大会の錦織はサーブの精度が高く、特に3回戦までは第1サーブ成功率がいずれも70%以上。サービスゲームで主導権を握り、省エネで勝ち上がった。

 だが4回戦で59%と落ち込むと、修正ができないまま、準々決勝は57%と苦しんだ。第2セットに入ると、第2サーブに対しフェデラーはポジションを一気に前に上げ、錦織から時間を奪った。「悪循環に陥った」と元プロの坂本真一氏。フェデラーの圧力で、第1サーブにかかる重圧が高まったといえる。

 錦織の得点源となっていたワイドへのスライスサーブも読まれ、リターンエースを決められた。「錦織の選択肢を徐々に奪っていった。さすがだ」と坂本氏はフェデラーの巧者ぶりに舌を巻いた。

 サーブで主導権を握れたフェデラーと握れなかった錦織。サーブから数えて4本以内で決まった得点は第1セットが錦織が27、フェデラーが22だったが、第2セット以降はフェデラーが上回り、終わってみれば錦織の81に対し、フェデラーが107と数字に表れた。

 4強は逃したものの、上位10シードのうち8強に残ったのはビッグ3を除くと錦織だけ。四大大会は5大会連続の8強進出に、男子国別対抗戦デビス杯元監督の神和住純氏は「安定して成績を残せているのはすごいことだ」と力を込める。

 準々決勝でも光る点があった。第1セットは速攻を意識し、第1ゲームをブレーク。神和住氏は「意図したことを実践し、1セット取れたのは大きい」と評価した。第3、4セットは11度のブレークのピンチを9度しのぐ粘り強さも見せた。

 神和住氏は「確かにビッグ3の壁は高い。ただ結果を残し続けることでいつかチャンスは巡ってくるはずだ」と四大大会制覇へ期待を込めた。

2019年7月13日 無断転載禁止