松江の音楽ファン 思い出の地 喫茶MG 愛されて50年

過去に作った店の記念誌を見て思い出を振り返る浅野淳子さん=松江市西茶町、喫茶MG
 音楽ファンから愛される松江市西茶町の「喫茶MG」が、7日に50周年を迎える。同市出身の俳優佐野史郎さんやロックギタリストの山本恭司さんが、高校時代に通ったことで知られ、今でも交流がある。ロックやフォークを流し、客を和ませながら切り盛りする「あっちゃん」こと浅野淳子さん(71)は「体力と気力がある限り続け、いつでも帰って来てくつろげる場所にしたい」と話している。

 もともとは自転車店だった。経営者の父が亡くなったことを機に、飲食店でのアルバイト経験を生かして1969年8月7日、喫茶店として再出発した。店名の「MG」は、兄が好きなイギリスのスポーツカーメーカーの名から取った。

 当初は閑古鳥が鳴いていたが、転機となったのは、1970年代に盛んだった学生運動。島根大(松江市西川津町)から末次公園(同市末次町)まで反戦デモで練り歩き、おなかをすかせた大学生が、大挙して来店するようになった。

 浅野さんは音楽好きで、自分の好きなロックやフォーク、客が持ち寄ったレコードを流した。県外出身の客が、松江市では手に入らないレコードを持ち込むこともあった。珍しい曲を聞くことができ、訪れた客は音楽談義で盛り上がった。

 佐野史郎さんは、高校時代から友人らと訪れるようになった。今はメニューにない焼き飯が大好物で、よくお代わりしていた。客が自由に書き込めるスケッチブックを置いた時代もあり、佐野さんが自ら描いた似顔絵や「ごちソーさん」などコメントを寄せたページが残る。店内の壁には、ビートルズのポスターや山本恭司さんのコンサートチケット、来店客の記念写真が張り出されている。

 現在は1日70~80人が来店。「なるべく人の名前を覚えるように心掛けている」と浅野さん。学生だった常連客が今や子どもを連れてくることも。「今まで来られた方に感謝し、これからの出会いを楽しみにしたい」と話した。

2019年8月2日 無断転載禁止

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