世事抄録 島根にとって「幸せ」って何

 数年前、世界一幸せな国としてブータン王国が話題になった。多々議論はあるが、幸せについて考えるいい機会だった。物質か精神かの二者択一ではなく緩やかに考えてもよかったが、経済成長や消費社会の資本主義の中に組み込むことはできなかった。ただ、人々の生き方には大きな刺激を与えた。

 ところであなたの住む町の「幸せ」や「豊かさ」って何ですか。安易に使うが、実態を問われると悩む。でもあなたの町に幸せや豊かさを見いだした人がいる。I・Uターンの人や離島・山村留学生、そして海外からの長期リゾート客だ。住民の気が付かない自然や文化の中に価値を見いだし、ライフスタイルに生かしている。さらに地域に積極的に関わり、地元の特徴をモノ創りに生かした。もちろん地元の活力と連携できたからだ。

 何代にわたって暮らしてきた方から、現実は厳しいぞとご指摘を受けそうだが、一つの生き方・価値として地域創生に生かしたらどうだろうか。

 彼らと共に町の幸せや豊かさの源を話し合う。くだらなくても、小さくてもいい。価値観の違いに、おやっと思うものもある。そんな中から幸せへのビジョンを描く。例えば「昔話と笑いのあることでは日本一幸せな町」。あとはみんなで創りながら会員制交流サイト(SNS)で公開する。幸せはみんなで創る営為にもある。今、町独自の幸せをブランド化し、発信する時である。

(埼玉県在住、島根県奥出雲町出身・鬼灯)

2019年9月19日 無断転載禁止